そんな中で栗原アナは、ローカルでマイナーなFM世田谷だったとしても、帯のレギュラー番組をもっているとはたいしたものだし、ネタ作りに励んでいるという姿勢もアッパレだ。
今回の『ニノさん』出演はもちろん、ホリプロの営業力あってのことだし、彼女が示したフリーアナ格差は、セント・フォースよりはニッチな(失礼!)雰囲気の所属アナを抱えるホリプロにいるからこその確かな分析だったと思う。
フリーアナの仕事には、テレビやラジオだけでなく、PR会社が仕切る企業のイベントやCM発表会の司会、もう少し自己主張の強いタイプになると、「映画コメンテーター」という肩書きで、出演者の舞台挨拶などを仕切る人などもごくわずかだが、いる。
とはいえ、景気のいい時代に比べたら、こうしたイベントは激減。フリーアナではなく、喋りの立つ広報ウーマンに取って代わられているケースも目立っている。
そしてテレビ番組やラジオ番組も、この秋は、フリーアナから局アナへのバトンタッチが頻繁に行われていることは以前書かせていただいたとおりだ。
しかし、セント・フォースの成功により、大手芸能プロダクションに局アナ出身者が所属するケースが増えたのは、ここ10年ほどの傾向。そして、その事務所内でも、栗原美季アナが指摘するような格差があるのだからフリーの女子アナもタイヘンである。
その昔、『プロ野球ニュース』(フジテレビ系)を担当していた石川小百合さん(元テレビ静岡)に、「なぜ太田プロに入ったの?」と聞いたら、「ライバルが居ないから」と言っていた。元テレビ朝日の南美希子さんも同じ理由で太田プロに所属していたことがある。
所属プロの外でも中でもヒエラルキーと格差に直面するのなら、同業者がなるべく少ない事務所に入りたい…という気持ちはわからなくもない。
でも、どこにチャンスが転がっているかわからないのも“フリー”の醍醐味だ。私は「栗原美季」の名前を女子アナ出演候補者のリストに入れたもの。その自虐ネタの数々は、バラエティー番組でも使えるハズだからだ。
フリー女子アナ界の“底辺”にいる栗原美季の名前、覚えておいて損はない…かも?