アメリカの諜報機関は、日本のすべての大臣や主要な国会議員、知事、さらには大企業の幹部に至るまで、盗聴対象にしている。オバマ政権は2014年に「緊密な同盟国や友好国を標的とした盗聴・監視活動は原則として行なわない」と発表したが、あれはただのリップサービスだったのだ。
日本の政治家たちは「同盟国が盗聴するはずない」と考えているようだが、そんなおめでたい発想では情報戦争の現代を生き抜くことなどできない。
アメリカは日本の要人の電話などを分析することに加えて、賄賂などのスキャンダルを探している。いざというときに、そのネタをちらつかせてなんでも言うことを聞く人間にするためだ。インフォーマー(情報提供者)に仕立て上げるのも簡単だし、アメリカにとって邪魔なら追い落とすことも自由自在である。
日本は現在もそこまでやられていることを自覚することが必要だ。
(文中敬称略)
※SAPIO2015年10月号