芸能

高田純次があの散歩番組を継承 「実力は折り紙つき」と識者

 9月28日から高田純次が街を歩く番組『じゅん散歩』の始まる。散歩番組ファンのコラムニスト・オバタカズユキ氏が放送開始前から熱く期待を込める。

 * * *
 この記事がアップされる予定の26日からすると明後日だ。ひさびさに楽しみなテレビ番組の放送開始がある。テレビ朝日で平日の 9時55分~10時30分放送の『じゅん散歩』である。9月28日(月)、高田純次の町歩き番組がいよいよ始まる。

 同局同時間帯といえば、なんといっても2006年4月から2012年5月まで放送されていた『ちい散歩』だ。ハンチング帽をかぶって、スケッチブックを入れたバックをぶらさげた初老の俳優・地井武男が、東京近郊のなんということのない町を訪ね歩き続け、散歩ブームの火付け役と呼ばれた。

 それ以前から、俳優座出身の演技派俳優として知名度のあった地井武男だが、あの番組でファンになったという人は実に多い。その人気のわけは、彼の人や風景を見る目線が自然だったからだ。「皆さん、最近、歩いてますかー?散歩っていいですよ。さぁ、散歩に出かけましょう!」という特に芸のないセリフから番組は毎回始まるのだったが、実際の地井も本格的に散歩をしていたらしい。撮影のない区間の長距離移動も車を使わず、自分の足で移動していたと言われている。

 俳優としては役作りが本格的だったわけだ。だけどというか、だからこそ番組内の地井武男には気負うところがまるでなく、視聴者は彼の興味の向くままに、一緒に町を歩く気分を味わえた。

 地井が急逝して、同番組枠は俳優・加山雄三に引き継がれたが、少なくとも私はめったに見なくなった。スター加山の町歩きは、なんだかローマの休日みたいで目線が市井の民のものと合わず、視聴者も彼と同化できないのである。あれはキャスティングがよろしくなかった。

 でもって、このたびその加山雄三が「80歳になるまでに設計している船を完成させたい」という、そう言ってのけてこそのスターだと納得値の高い理由により番組を“卒業”。番組スタッフらが熟慮の結果、後任として選ばれたのが高田純次だったのだ。

「絶世の二枚目スター」上原謙の息子で慶應大学卒業まもなく銀幕デビューした若大将から、アングラ劇団を経てお笑い界のスキマ産業的立ち位置をいつの間にか手に入れた「ミスター無責任男」へのシフトチェンジ。番組としては大転換を決意したわけだが、こんどのキャスティングは番組開始前から当たりだと断言して構わない。

 高田純次はずいぶん前から、ワイドショーやバラエティ番組のオマケ企画のようなコーナーであちこちの散歩仕事をこなしており、私の知る限り、その実力は折り紙つきなのだ。

 地井武男は、町の人にも河原の草花にもフラットに向き合う自然な目線が魅力だった。高田純次の場合も万物とフラットに接する態度が楽しいのだが、具体的には地井とまるで違う。

 例えば、相手が50過ぎの冴えないおっさんなのに「あなた西島秀俊と同じだねぇ、性別が」といった軽口を叩いたり、初対面の女性だというのに「久しぶりだね、お嬢さん、とりあえず手を握り締めましょうか」とセクハラ無縁のすけべ挨拶をかわしたりは、『じゅん散歩』でもきっと変わらないのだ。ぶれずにテキトーな散歩をしてくれるのだ。

関連記事

トピックス

野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
8月20日・神戸市のマンションで女性が刺殺される事件が発生した(右/時事通信フォト)
《神戸市・24歳女性刺殺》「エレベーターの前に血溜まり、女性の靴が片方だけ…」オートロックを突破し数分で逃走、片山恵さん(24)を襲った悲劇の“緊迫の一部始終”
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
決勝の相手は智弁和歌山。奇しくも当時のキャプテンは中谷仁で、現在、母校の監督をしている点でも両者は共通する
1997年夏の甲子園で820球を投げた平安・川口知哉 プロ入り後の不調について「あの夏の代償はまったくなかった。自分に実力がなかっただけ」
週刊ポスト
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン