国内

与党=主流派、野党=反主流派ではないと長谷川幸洋氏が解説

 東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏による『週刊ポスト』連載「長谷川幸洋の反主流派宣言」が最終回を迎えた。その最後のコラムから、反主流派とは何かについて抜粋して紹介する。

 * * *
 このコラムは今回が最終回になる。『ニュースの言葉は嘘をつく』という前連載から数えると4年2か月の間、ご愛読いただいた読者のみなさまには感謝を申し上げる。

 そこで今回は「反主流派」を貫く意義を書こう。私は初回に「世の中を動かすのはいつだって反主流派だと思っている」と書いた。その考えはいまも変わらない。

 連載中、コラムは安倍晋三政権の政策路線を概ね支持してきたので、時折「どこが反主流派なんだ」という批判の声もいただいた。だが、そういう見方は「時の政権こそが主流派」という思い込みにとらわれている。

 ここが政治を観察するうえで肝心なのだが、「政権を握れば主流派で、野党が反主流派」ではないのだ。

 この国の主流派とは、国民の多くが一見「そうだ」と思う、もっともらしい話をしながら、実は紋切り型の思考にとらわれ、結果として既存の秩序や体制の維持に手を貸している勢力である。そういう勢力は永田町にも、霞が関にも、マスコミにもいる。

 安全保障関連法をめぐる騒動もそうだった。自民党は長く政権を握っていたが、これまで集団的自衛権の行使を容認する改革に手を付けた政権があったか。安倍政権が初めてである。なぜ改革に踏み出さなかったかといえば、野党はもちろん世間やマスコミ、さらには肝心の与党内でも反発が予想されたからだ。

 実際に猛反発が起きた。それでもやらざるを得なかったのは、中国や北朝鮮の脅威がもはや放置できないレベルに高まったからである。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
水原一平容疑者の半生を振り返る(C)BACKGRID,Inc/AFLO
《現地レポート》水原一平容疑者「中学時代は帰宅部」同級生が口を揃える“影の薄さ”「騒いでるのをそばで見ているタイプ」「高校の同窓会には不参加」
週刊ポスト
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン