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ポスト原監督 若手育成力やスター性で中畑清氏を推す意見も

 終盤のデッドヒートでヤクルトに競り負け、4連覇を逃した巨人。現在、クライマックスシリーズ(以下CS)を戦っているものの、今季で2年契約が切れる原辰徳監督退任の報道が飛び交っている。5日、渡邊恒雄巨人軍最高顧問と会談したものの、去就に関する話は出なかった。昨年はペナントレースで優勝こそしたもののCSで破れ日本シリーズに進出できず。2年連続で日本シリーズを逃すとなれば、監督交代の可能性は高くなりそうだ。

 仮に原監督の退任となれば、後釜に座るのは誰になるのか。スポーツライターはこう分析する。

「人材不足なのは否めません。川相昌弘ヘッドコーチの内部昇格の話もありますが、スター性も求められる巨人の監督としては、いささか地味。かといって、良くも悪くも知名度の高い江川卓氏は、15年以上前から名前が挙がっては消える“万年候補”であり、現場から離れすぎている。それ以外に名前が出てくるのが、巨人と距離を置きたがっている松井秀喜であり、現役の高橋由伸ですからね」

 そこで、候補として急浮上してくるのが、中畑清DeNA前監督だという。今の巨人に、最も必要な育成力と人気の両方を兼ね備えた最適な人材だという評価も高い。

「DeNAの4年間はすべてBクラスで最下位も2度でしたが、梶谷隆幸や筒香嘉智という伸び悩んでいた“未完の大器”をチームの柱に据えたり、三上朋也や山崎康晃といった新人をリリーバーに抜擢するなど、育成力や選手を見定める眼力は、球界内でも大きく評価されています。

 現在の巨人は、阿部慎之助や村田修一といったベテランから若手にどう切り替えるかという過渡期に差し掛かっており、大田泰示や岡本和真をどう育てるかが今後の課題です。

 また、中畑さんはDeNAの観客動員を4年間で大幅アップさせた実績があり、メディアへの発信力も高い。常に話題を提供しなければならず、マスコミ対策が欠かせない巨人にピッタリの人材なんですよ」

 だが、巨人は監督に関しては純血主義を貫いている。中畑氏は生え抜きの巨人のスター選手だったとはいえ、他球団であるDeNAの監督を経験したことはネックにならないのだろうか。

「たしかに、他球団の監督を務めた後に、巨人監督に就任した前例はありません。ただ、在任計7年間で4度の優勝を果たした藤田元司氏は大洋の投手コーチを経て、1981年に巨人監督に就任しています。この背景には、当時絶大な影響力のあった川上哲治氏の存在があったとも言われています。

 中畑さんは長嶋茂雄終身名誉監督の愛弟子であり、渡邊恒雄巨人軍最高顧問とのパイプもある。今オフ早々の就任の可能性は低いですが、人材不足の巨人監督候補を考えると、まったくないとも言い切れませんよ」(同前)

 過去に、退任の翌年に同一リーグの他球団監督になったケースもないわけではない。1998年オフ、野村克也氏はヤクルトから阪神監督に。2001年オフには、星野仙一氏が中日から阪神の監督に就任している。

 今季DeNAで指揮をとった最終戦を終えた中畑氏は、尾崎紀世彦の『また逢う日まで』を熱唱したが、もしかしたら次に逢う時は巨人のユニフォームに袖を通しているかもしれない。

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