国際情報

韓国の反日運動「韓国人は優秀なのに…」の思いが根底にあり

「慰安婦」「竹島」に限らず、韓国では繰り返し反日的な動きが起きている。もちろん、政府が国民の不満の矛先をそらそうと政治的に「反日ムード」を作っている側面もあるが、根底には韓国人が持つ「日本人はもともと野蛮な存在」だという意識があると、鄭大均・首都大学東京特任教授は指摘する。

 * * *
 韓国の日本大使館前で毎週行われる、“慰安婦問題”に対する水曜デモは1100回を超えた。2011年12月に1000回を記念して「慰安婦像」が設置されたことは記憶に新しい。こうした反日的な行動は、竹島問題や靖国問題などことあるごとに噴出する。

 まず言っておきたいのは、韓国には反日の一方で、日本に対する称賛や憧憬の感情も少なからずあるということだ。日本は経済的に成功した国であることに加え、親切で勤勉で忍耐強い国民がいると考えられている。日本は憧れを持って語られ、時に見習うべき対象とされることもある。

 だからこそ、時に反日は嫉妬と入り混じったルサンチマン(恨み)の感情という様相を呈する。

 憧憬だけでは嫉妬は生まれないし、恨みだけでも嫉妬心は生まれない。そこには「自分たちのほうが優れた民族であるのに、日本人のほうがいい目にあっている」という思いが根底にある。

 韓国人の日本人に対する嫉妬には、伝統的な華夷思想の影響もある。華夷思想とは世界を華と夷に分けて眺める中華文明的な世界観で、夷狄を野蛮人として蔑視する思想である。その「華夷秩序」の中で、韓国人には自らが文化的に中国に近いという意識があり、日本は自分たちより文化的に劣等であるという認識がある。

 その思想は韓国の歴史の教科書にも見られる。たとえば、韓国の高校生用の歴史教科書には新羅、百済、高句麗の三国時代の日本との関係に触れた記述に繰り返し、「伝播」「伝授」の言葉が登場する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン