芸能

ハリセンボン近藤「〇〇じゃねーよ」はなぜ10年通用するのか

「〇〇じゃねーよ!」はもはやテッパンのハリセンボン近藤

 テレビで見ない日はないハリセンボン・近藤春菜(32)であるが、「角野卓造じゃねーよ!」のギャグを使うようになって10年近くが経っている。流行り廃りの激しいお笑い業界において、これだけ長く一つのギャグが通用しているのはなぜなのか。お笑い評論家のラリー遠田氏に話を聞いた。

「春菜さんの『○○じゃねーよ!』のギャグは、角野卓造さんから始まり、シュレック、マイケル・ムーア監督、亀井静香さんなど、ネタが尽きることがありません。フォーマットはそのままで、中身を変えるだけで済むので、ギャグのシステムとしてよくできているのです。テレビでは必ず誰かと会話のやり取りがあるので、振られて返すというくだりを持っているというのは芸人にとっての強みだといえます」

 このギャグが生まれるきっかけを与えたのは、本人も語っているようにロンドンブーツ1号2号の田村淳(41)だ。テレビに出始めの頃、番組内で「角野卓造さんに似ているっていわれます」と自己紹介したところ、田村から「角野さんはどうなの?」と振られてとっさに出てきた一言が、「角野卓造じゃねーよ!」だった。

「サッカーに例えると、淳さんがものすごくいいパスを出したので、春菜さんのシュートが決まったのです。それ以降、芸人が次々と点取り屋の春菜さんにパスを出すようになりました。笑いのパスというのは、通常はプロの芸人でないと出せませんが、この芸は誰でもパスを出せるのがいいところ。アイドルや俳優がパスを出しても笑いの形になるので、いろんな場面で使えます」(ラリー遠田さん)

 共演者を問わない使い勝手の良さは、数字にも現れている。ニホンモニター社調べによる『タレント番組出演本数ランキング』では、女性部門で2年連続1位(2012、2013年)に輝き、現在もトップクラスの出演本数をキープしている。いつの間にか、近藤春菜とハリセンボンは売れっ子女芸人の代名詞的存在にもなった。この秋は、元ネタ(?)の角野卓造本人と共演するNTTドコモのCMが話題となっている。

「テレビに出始めた頃の春菜さんは共演する他の先輩芸人に比べてテクニックでは劣っていたかもしれませんが、その分『○○じゃねーよ!』の芸としての技を必死に磨いてきました。彼女が好感度の高い売れっ子芸人になれたのは、面白い、愛嬌がある、それに加えて、常に全力であるということが挙げられます。流してやることがないから、いつ見てもネタが新鮮。このギャグはずっと使えると思います。ただし、それもあの風貌があってこそ。痩せた場合は使えなくなるかもしれませんね」(ラリー遠田さん)

 一生モノといえる一発ギャグを手に入れた近藤。芸を磨くか、女を磨くか?

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