一度は泊まりたい「名建築の温泉宿」。福島・東山温泉の「向瀧」(むかいたき)は、会津藩指定保養所だった歴史を持ち、国の登録有形文化財第1号に輝いた木造建築の温泉旅館。24室ある客室は、間取りや細工も含め、すべて異なる造り。各室それぞれの趣向と眺めを堪能でき、季節ごとに泊まる部屋を替える常連客もいるという。
多くの皇族を迎えてきた書院造りの宮内庁指定棟特別室「はなれの間」には、大正時代に宿泊した医学者・野口英世の書が飾られ、専用風呂には折り上げ式格天井が施されている。
格天井は部屋の格の高さを示すといわれ、大広間の格天井には会津特産品の桐材が使われている。疲労回復などに効能がある温泉は自然湧出の自家源泉で、45℃の熱めに設定される「きつね湯」は、肌がすべすべになると評判。
【住所】福島県会津若松市東山町大字湯本字川向200
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号