こんな指導者がトップにいるからチームのタガが緩む。巨人の二軍では麻雀、ゴルフ、トランプの賭けが横行していたといいますが、練習に明け暮れるべき二軍で賭けが常態化するなど、考えられないことです。

 そもそも選手同士、なぜそんなに仲がいいかが不思議で仕方ない。プロたるもの、周りはすべて競争相手です。かつて巨人が黄金時代を築けたのはチーム内での激しい競争があったからでした。昔もタバコや麻雀に明け暮れる者はいたが、「それじゃ俺からポジションは奪えないよ」といってやったものです。

 そうしてプロとは何かを教えてくれる先輩がいましたね。遠征先の大部屋で麻雀をしている選手の横で、ウォーリー(与那嶺要)がバットを振り、カワさん(川上哲治)も隠れて練習していた。それを見て、他の選手は姿勢を正したのです。今はこうして教える人がいないんでしょう。高い年俸をもらい、巨人のユニフォームを着ているだけでチヤホヤされるから、完全な「平和ボケ」状態。巨人は現状がかなり深刻であることを肝に銘じるべきです。

 ただ巨人は、痛いところを突かれると、それを素直に直そうとする伝統がある。これは救いです。その自浄能力を信じたいですね。

●ひろおか・たつろう/1932年、広島県生まれ。巨人で活躍。ヤクルト、西武の監督を歴任し、日本一に3度輝いた。

※週刊ポスト2015年12月18日号

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