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大手商社の年収格差「同期4000万円、私は1500万円」と幹部談

 入社式で肩を並べた30数年前、同期と共に会社を背負っていく将来を夢見た。しかし時を経て、気付いたら“彼”とは残酷なまでに大きな「年収格差」が生まれていた──。

 一体いくら違うのか。特に「同期格差」が大きいといわれているのが、大手商社だ。商社の場合、出世コースのトップに立った社員は年収が大きく伸びる。

 様々な経験を必要とする商社マンは30代前半までは「トレーニング期間」とされ、ほとんど同期の給与が変わらない。ただし、商社は元々の給与水準が高く、早ければ30歳前後で年収1000万円を超えることもある(金額は一般的なケースの概数、以下同)。

 勝負は30代から。ここからは完全な実力主義となる。賃金ジャーナリストの溝上憲文氏がいう。

「住友商事は、10年目以降は年齢に関わらず能力で役職を決める制度を導入し、同期でも肩書きが違う。さらに商社は業績によってボーナスが大きく異なる。油田・天然ガス開発や鉱山開発はリスクがあるが一発当てると大きく、その部門の管理職であれば役員でなくとも数百万円のボーナスが出る」

 大手商社は50代後半で役職定年を迎える。差が開くのは、その直前の50代半ば。関係者の証言をまとめると、最大手の三菱商事で最低年収が1500万円、最高3500万円、三井物産で最低1400万円、最高2400万円、住友商事で最低1300万円、と、いずれも約2200万円ほどの幅があるとされる。

 最高にしろ最低にしろ、年収は業界内の売上高の規模に応じた順序になっているが、地殻変動も起きている。伊藤忠商事である。

 資源安・原油安を受けて同業他社が軒並み業績を落とすなか、パルプや不動産など、非資源分野に強い伊藤忠は着実に純利益を増やしている。それは社員の懐にも関係してくる。30代社員は鼻息荒い。

「社内では2016年3月期決算で三菱商事を純利益で抜いたら、全社員に高額の特別ボーナスが出ることが内々に決まっています。雰囲気も良いですよ」

 一方で、業績連動の割合の高い部長・課長クラスの年収格差は業界一ともいわれる。伊藤忠の50代中堅幹部がいう。

「業績好調な部門の部門長(部長級)の同期は年収4000万円近いと聞く。ですが、私は1500万円程度。恵まれているとは思いますが、子供も私立ですしカツカツですよ。

 この前、その同期と一緒にゴルフに行ったら、1年半前にアウディのA4を買ったばかりのくせに、もう真っ赤なベンツのCクラスに乗り換えていました」

※週刊ポスト2016年1月1・8日号

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