スポーツ

若手親方 理事選は「決まり破ってでも貴乃花」と公言も

 日本相撲協会は1月末に役員候補選挙(理事選)を控える。これまでは歴史と伝統のある「一門制」によって秩序が保たれてきたが、今回は雲行きが怪しい。次の理事選は一門制を崩壊させ、各界の歴史を変える可能性を秘めている。

 北の湖親方亡き後、相撲協会理事長を務めているのは高砂一門の八角親方(元横綱・北勝海)である。しばらく「理事長代行」だったが、昨年12月の理事会で「代行」を取り、正式な理事長に就任することが決定された。

 しかしこれもすんなりとは決まらなかった。会議が終わるのに2時間以上を要し、8理事(八角親方は非投票)に外部理事3人を含めた11人で投票した結果、6対5で薄氷の承認となったのだ。反対票を投じたのは外部理事2人と、千賀ノ浦、伊勢ヶ濱、貴乃花。1月に理事選、3月に新理事長の決定と、またすぐ改選が行なわれるのだから、今慌てて理事長にする必要はないという理屈だった。

「本来この投票は1月場所初日の天覧相撲の際、天皇陛下の説明役を務めるのは代行では失礼、正式に理事長の肩書きにすべきではないかという議題について賛否を決めるものでした。しかしいつの間にか“八角理事長を認めるかどうかの投票”の印象が強くなった」(相撲ジャーナリスト)

 結果、反対票を投じた貴乃花親方が反・八角派のように見られてしまった。

「“北の湖体制を継承する”といっていた八角親方は、当初は自分が理事長になれば貴乃花親方をナンバー2の事業部長に任命し、次の理事長の座を譲ると見られていました。しかし蓋を開けてみると事業部長には尾車親方(元大関・琴風)が据えられた。尾車親方の所属する二所ノ関一門はかつて貴乃花親方が『貴乃花の乱』で割って出た古巣であり、今は反・貴乃花の急先鋒。意趣返しではないかといわれています」(同前)

 しかしこれが、貴乃花親方を支持する若手親方たちに火をつけたと見られている。協会関係者が語る。

「最近の若手親方の特徴は、一門が決めた候補者に投票することに異議はないが、それが角界のためにならない、いわば守旧派の候補なら入れたくない空気がある。例えば時津風(元前頭・時津海)や錣山(元関脇・寺尾)などは、“もし貴乃花がピンチの時は一門の決まりを破ってでも貴乃花に入れる”と公言している」

※週刊ポスト2016年2月5日号

関連記事

トピックス

芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン