芸能

坂上忍 「忙しさを自慢してもカッコ悪いからしません」

仕事漬けの日々を送る坂上忍に密着

 坂上忍(48)の一日は朝4時に始まる。内房の海原を一望する木更津の自宅で目覚めるや、焼酎のロックを傾けながら連載原稿や台本の執筆のため2時間机に向かう。一段落ついた頃、「極度の潔癖症」と自認する通り、家中を掃除し、洗濯に取りかかる。その後、休む間もなく9匹の愛犬を3組に分けて各30分、計1時間半の散歩。

 こうして朝の日課が終わる頃、迎えの車が自宅に到着する。毎週月曜から金曜まで総合司会を務める昼の情報番組『バイキング』の生放送がある東京・台場のフジテレビに向かうためだ。

「1日のテンションのピークを『バイキング』に合わせているんです。だから、放送が終わると一気に疲れが押し寄せてきて、次の仕事に向かう移動の車の中で一瞬気絶します(笑い)。そこからまたエンジンをかけて走り出すという毎日です」

 昨年1年間のテレビの出演本数455本は、全タレントの中で5位。現在、レギュラー8本、準レギュラー2本に加え、単発の番組出演や雑誌の連載を抱えるほか、週末の土日は自らが運営する子役養成学校で指導。芸歴45年、かつて天才子役と呼ばれた男は仕事漬けの日々を送っている。

「『忙しいでしょ?』ってよく聞かれますが、今さらいい歳したオヤジが忙しさを自慢するなんて、カッコ悪いしバカみたいだからしません。でも、これが20代だったら勘違いして天狗になっていたでしょうね。車なんて全然興味ないけど、フェラーリ、間違いなく買ってた(笑い)」

 3歳で劇団若草に入団。1973年、6歳の時に水前寺清子主演のドラマ『ありがとう』(TBS系)で一躍人気者となった。だが、当時の坂上は周囲との軋轢に戸惑っていた。

「初対面の人には、まず睨んでいましたね。誰であろうと噛みついていた。とくに権力のある人は好きになれませんでした。当時は、とにかく早く子役をやめたかった。泣く芝居はできるのに、笑う芝居はできない。周りから見れば不思議な子だったと思います。仕事が忙しくて、大好きな野球も諦めざるを得なくなった。なんで自分は普通じゃないんだろうと、ずっと悩んでいました」

 ドラマの撮影中、納得がいかなければ勝手に帰宅したこともある。仕事に向かう途中、マネージャーと口論になり、走行中の車から飛び降りたこともあった。

 20歳を過ぎると私生活も荒れた。毎晩浴びるように酒を飲み、誰かれ構わず怒りをぶつけて暴れた。子供の頃から野球が好きで、熱狂的なヤクルトファン。神宮球場で酔って巨人ファンと大喧嘩したこともある。

◆さかがみ・しのぶ/1967年、東京都生まれ。1972年、ドラマ『下町かあさん』でデビュー後、『ありがとう』で草笛光子の息子役を演じる。NHK大河ドラマ『おんな太閤記』など、数々のドラマに出演。2012年『笑っていいとも!』レギュラー出演をキッカケにバラエティ番組の出演が急増。現在、『バイキング』『有吉ゼミ』『クイズやさしいね』などに出演。

■撮影/藤本和典 取材・文/岡野誠

※週刊ポスト2016年2月12日号

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト