芸能

恵俊彰 結成25年のホンジャマカへの思いを語る

恵俊彰が語るホンジャマカへの思い

「仕事の合間には、僕、メシを食えないんですよ。食べると仕事のスイッチがオフになっちゃって」──情報番組『ひるおび!』(TBS系、月~金11時~)の生放送中の中休み、控え室に戻ってきた司会者の恵俊彰(51)は、他の出演者たちが用意された弁当をほおばる中、わずかにフルーツゼリーを食すだけにとどめた。恵は、こう明かす。

「空腹でいると繊細になれるんです。ちょっとした音とか、ゲストのわずかな変化にも気がつくことができる。司会者って、ボールを投げて回していく役じゃないですか。だから鈍感さは命取りになる。番組内で起きていることに気づかなかったり、コメントの準備ができてない人に話を振ったりしてしまうのがすごく嫌なんです」

 そんな細やかな神経で仕事に臨み続けてきたからだろう。恵の仕事ぶりは、ここ数年、各分野で高い評価を受けている。昨年末まで放映されていたドラマ『下町ロケット』(TBS系)では、敏腕弁護士の神谷を演じ、はまり役として話題を呼んだ。7年前にスタートした当初、2%そこそこだった『ひるおび!』の視聴率も、現在は同時間帯トップを維持している。今年1月18日には番組史上最高の10.6%を叩き出した(視聴率はビデオリサーチ調べ・関東地区)。

 いまや司会者や役者としてすっかり定着した恵だが、そもそもは石塚英彦との漫才コンビ「ホンジャマカ」で知られる芸人である。司会者や役者へ仕事を広げる芸人は少なくないが、恵は中でもひときわ華麗な活躍を見せる。

 恵は、1964年、鹿児島市の大島紬の工場の長男として生まれた。奄美大島で紬を織っていた祖父が「一旗揚げよう」と鹿児島に出てきて「恵大島紬織物」を立ち上げた。それを継いだ恵の父親が、染色職人や織り方など200人が働く工場を経営。まさに『下町ロケット』の世界そのものだった。

「規模こそドラマの佃製作所ほどは大きくなかったけど、雰囲気はまさにあの通りの町工場でしたね。親父は、京都の西陣には負けないぞと戦略的に経営をしていました。子供の頃、『大島紬で特許を取ったのは俺だけだ』と語していたのを覚えています」

 跡継ぎと目されていた長男は、鹿児島大学教育学部附属小学校、県立甲南高校と地元のエリート校に進むも大学受験に失敗。東京の駿台予備校に入学するが、すぐに進学の意欲は失せてしまう。

「大学受験はあくまでも上京のきっかけで、4年間自由に過ごせるモラトリアムぐらいに思っていたんですね。18年間桜島を見てきた田舎者が上京して三宅裕司さん主宰の『スーパー・エキセントリック・シアター』の舞台とかを見に行って、東京ではこんなに面白いことをやっているんだ、と一気に都会の色に染まっていったんです」

 お笑い好きの姉の影響もあって、恵は、次第にテレビに強く惹かれ始める。

「何よりテレビに出たい、一発逆転でスターになりたいと思うようになっていた。当時のテレビにはそんな夢を見られる力があったんです。時代はまさに漫才ブームで、『オールナイトフジ』や『オレたちひょうきん族』(いずれもフジテレビ系)というすごい番組があった。あそこに立てたら人生変わるな、と。とにかく“あの箱”の中に行きたいという一心でしたね」

 まず恵は、新聞配達をしながら憧れの俳優・西田敏行のいる青年座を訪ねたりと俳優の道を模索する。しかし、どの俳優養成所も受講料が必要であることがネックになった。

関連記事

トピックス

高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年、第27回参議委員議員選挙で使用した日本維新の会のポスター(時事通信フォト)
《本当に許せません》維新議員の”国保逃れ”疑惑で「日本維新の会」に広がる怒りの声「身を切る改革って自分たちの身じゃなかったってこと」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン