ライフ

理論上は永続的発毛が可能になる「17型コラーゲン」に興奮

薄毛の人に朗報?

 日本を代表する薄毛タレントである東国原英夫氏(58)が息を弾ませる。「ハゲ歴30年、すべての治療法をやり尽くした結果がこれです。STAP細胞が出たときは胸が高まったけど、結局は落胆に終わった。しかしいま、僕は生きる希望が出てきました」──。

 東国原氏に大きな希望を抱かせる研究結果を発表したのは、東京医科歯科大学の研究チーム。長年、謎とされてきた「脱毛」のメカニズムを解き明かし、研究成果が米科学誌『サイエンス』に掲載されたのだ。

 そのカギを握るのは、タンパク質の一種である「17型コラーゲン」である。

 通常、人間の毛髪は4~6年で寿命を迎えて抜け落ちる。この時、毛穴の奥の「毛包」という器官にある「毛包幹細胞」が分裂を繰り返し、新しい毛髪となる。ところが加齢による老化で毛包幹細胞の周囲にある「17型コラーゲン」が減少すると、髪の毛の元になる毛包幹細胞が維持できなくなり、新しい毛を作れなくなってしまうのだ。

 この一連の流れが薄毛・脱毛につながることを研究チームは突き止めた。つまり、「17型コラーゲン」の枯渇を抑えられれば、毛髪の再生システムを維持することが可能になり、薄毛・脱毛を防げるのである。

 実際、実験で「17型コラーゲン」が失われないように遺伝子操作した2歳のマウスは、通常のマウスに比べ、1ミリ四方辺りの毛穴の数が1.4倍も多かった。人間の頭皮でも50~70代の毛包は20~30代に比べて縮小しており、「17型コラーゲン」の量も少なかったという。薄毛治療を行なう親和クリニックの音田正光・総院長も興奮を隠さない。

「世の中には様々な育毛剤がありますが、科学的エビデンスが少ないのです。治療効果が認められているのは、『リアップ(塗り薬)』と『プロペシア(飲み薬)』のみ。リアップは発毛を促進して脱毛の進行を抑え、プロペシアは男性ホルモンの作用を抑えることで抜け毛を抑える。ともに毛髪の現状を維持するための対症療法であり、失われた毛髪を再生することは難しい。

 しかし、今回の17型コラーゲンによる治療法が確立すれば、理論上は永続的な発毛が可能になり、すでに薄毛である人の毛髪を甦らせる可能性が見えてきます」

※週刊ポスト2016年2月26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
大東さんが掃除をしていた王将本社ビル前の様子(写真/時事通信フォト
《「餃子の王将」社長射殺事件の初公判》無罪主張の田中幸雄被告は「大きなシノギもなかった」「陽気な性格」というエピソードも…「“決して”犯人ではありません」今後は黙秘貫くか
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン