放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、連日この話題で持ちきりの「ゲス不倫」について、業界内でのアタフタぶりをリーク。
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今年はまだ始まったばかりだが、年末の「新語・流行語大賞」発表まで、このワードはもちそうな気がする。「ゲス不倫」である。
発端はもちろん、「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音とベッキーの不倫報道。その後、発覚した宮崎謙介“前”議員で「ゲス不倫」はさらに定着し、複数の女性との交際が重なりあっている“宮崎年表”は、いまワイドショーでもっとも分計が上がるネタだとされている。そして最新は写真週刊誌がトップで報じた桂文枝師匠の愛人報道である。
さらに「私の経験でもいいのなら、ネタがありますよ」「あの人もやっているのを知っていますよ」という女性の声がギョーカイ内の各所であがっているのだ。
たとえば今週注目されたのは、宮崎“前”議員の不倫相手に「私も恋人を寝取られた」と女性週刊誌記者が手記を掲載したこと。さらには「ハニートラップに遭った」とうそぶく男性文化人の相手は「実は私なんです」と某女性スタッフから“告白”も受けた。「面白がっていただけるなら、私も身を削ります」という心づもりのあるギョーカイ女性の多いこと、多いこと。不倫経験のある男性有名人は戦々恐々だろう。
ベッキーへのクレーム数がやや落ち着いた各テレビ局内でも「ゲス不倫」の話題はいまだに尽きない。「そういえば…」と、不倫で異動した男性社員の“昔話”に花が咲いたり、「とにかく、気をつけるに越したことはない」と、既婚の男性社員や男性アナウンサーへ上からの“ご注意”があった局もあると聞く。
そして、女性タレントやフリーの女性キャスターを数多く抱える芸能プロダクションで通告されたのが「不倫禁止令」である。
モー娘。やAKB48グループほどではないにしろ、「恋愛には社長がいい顔をしてくれない」という女性タレントやキャスターは多かったが、この「ゲス不倫」騒動で、「とにかく不倫だけは絶対にダメ」と“お達し”があったというのだ。
かつて、テレビ局やラジオ局で、男性社員の不倫相手として標的とされていたのはフリーの女性アナウンサーやリポーターが一般的だった。
フリーの女性の喋り手は、男性スタッフらからしてみると、局アナの女性より「声がかけやすい」「敷居が高そうで実は低い」というのである。
その理由は、局員同士だと、破局したり、それが原因で離婚したりすると、後々面倒なことになりかねないが、相手がフリーなら、どちらかが番組や現場を離れさえすれば、話はそこで終わるという“後腐れのなさ”。
もう一つの理由は、帯番組のレギュラーとしてテレビ局に出入りしているフリー女子アナは、よほどの大物でない限り、一人に一人、マネジャーが付いているワケではないから、所属事務所にバレずに進めやすいというのである。
とはいえ、昔に比べたら、男性局員とフリー女子アナの不倫はずいぶん減ったと言われる。それは、ある番組のお陰(?)なのだ。