今年のキャンプで、最も意欲的な投手といっても過言ではあるまい。ソフトバンク(SB)で2年目を迎える松坂大輔である。
かつて甲子園を沸かせた「平成の怪物」も早35歳。昨年、鳴り物入りでメジャーから日本球界に復帰したが、一軍での登板が一度もないままシーズンを終えた。そのため背水の陣となっているのは間違いない。
1月の自主トレ時には、「主治医からも100%の状態といわれた。開幕ローテを目指す競争には、十分加われると思う」と自信を覗かせた。キャンプインすると、初日からブルペン入りしていきなり捕手を座らせ、ストレートを50球。2月5日には二度目のブルペンで140キロ超えのストレートも披露した。
16日のフリー打撃では打撃投手として初登板。打者2人(城所龍磨、釜元豪)を相手にした35球で、安打性の打球は3本だけ。ストレート、カーブ、スライダー、シュート、チェンジアップ、カットボールを投げ分けた。
打者に球種を告げて投じるフリー打撃。それでも城所からは速球とスライダーで二度の空振りをさせた。
「スライダーはエグかった。真横に曲がる。(球種を)言われてもエグい」
という城所のコメントを引用し、翌日の『スポーツニッポン』は、「272日ぶり打者と対戦 変身!! 今年の怪物は違う 松坂エグい」との見出しで、トップで報じた。