国際情報

尖閣海域で領海侵犯の中国海洋監視船 艦対空ミサイルも装備

習近平氏は急ピッチで軍の改革を進める 新華社/AFLO

 中国軍の動向に詳しい香港の日中関係筋によると、今年は中国の尖閣諸島への攻勢が本格化するという。すでに、海上保安庁は昨年末、機関砲4基を備えた改造フリゲート艦が日本領海に侵入したことを確認した。尖閣諸島をめぐって砲弾が飛び交う事態も懸念される。ジャーナリスト・相馬勝氏が指摘する。

 * * *
 昨年末、尖閣諸島周辺海域で領海侵犯したのは中国海警局の海洋監視船3隻で、このなかで機関砲を装備していたのは「海警31239」と命名された改造フリゲート艦である。

 フリゲート艦の任務は一般的に揚陸部隊や補給部隊、商船団などの護衛だ。このため、攻撃能力に勝る駆逐艦や巡洋艦の補助的役割を担っているが、対潜水艦や対空作戦能力を備えており、機関砲や艦対艦ミサイルや艦対空ミサイルのほか、ヘリも搭載。また、敵艦や飛行機を捕捉するレーダーやソナーの性能も高い。

 今回の海警31239はもともと中国海軍が所有する053H2G型のフリゲート艦で、中国語では「江衛I型」と呼ばれ、「安慶539」号と命名された。中国海軍は安慶を含め同型艦を4隻保有していた。いずれも1990年代初めに就役していたが、昨年初めにそろって退役し、4隻すべてが中国海警局に移籍したことが分かっている。

 この理由について、中国軍の動向に詳しい香港の日中関係筋は「中国海軍のフリゲート艦としては型が古くなっていることもあるが、実際には中国海警局の海洋監視船の能力を向上させるためと考える方が現実的だ」と指摘する。

 他のフリゲート艦3隻はそれぞれ「淮南540」、「淮北541」、「銅陵542」で、いずれも安慶とほぼ同性能。すでに中国海警局に移籍されているので、この3隻はそれぞれ海警31240、海警31241、海警31242と命名されているとみられる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン