国内

「やっかみ」「嫉妬」 24時間総ネット社会で本格的に花開く

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 お金を稼ぐことは経済をまわし、多額の税金を払うことから悪いことではないだろうが、「嫌儲」という言葉も存在するネット上では「悪」とされることもあるという……。この現象は一体なんなのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ネットの「稼ぐ人」叩きについて考える。

 * * *
「はあちゅう」というフリーの文筆家として食っている30歳の女性が、最近ネットで叩かれまくっている。一部の人にとって「自由な生き方の体現者」や「恋愛の達人」のような見られ方をされ、憧れの存在でもある。金額を聞くのはヤボというものの、相当稼いでいることは間違いない。

 バッシングの具体的な言葉には「金の亡者www」「邪悪と欲望の暗黒神」「存分に死を呪われながら生きていただきたい」などで、そのうえで、「こいつはあと数ヶ月もたない」とまで評される。

 彼女は2004年、大学1年生の時にブログを開始。当時は顔出しをする女子大生など滅多にいないものだから、IT界隈では一気に有名になった。その後は自己資金ゼロで世界一周をする。多数の企業にプレゼンし、「御社と関連したものを世界一周ブログで紹介しますよ!」と25社から旅費や協賛金の調達に成功したのだ。さらには、この体験を本にする。卒業後は広告最大手・電通に入社し、次はストックオプション付き条件でベンチャー企業へ。

 現在は文筆業のほか、テレビのコメンテーター出演もしている。複数のオンラインサロン(ネット上で交流したり、会員限定の文章を読める)を主宰するほか、課金プラットフォーム「note」でも稼いでいる。こうした場で、カネの稼ぎ方や仕事術やプライベートなどを発信し、作家の新しい形を作ろうとしている。

 この段階でどう感じるだろうか。「すごい人がいるな。いやぁ、立派」「アクティブだなァ、稼ぐにはそれだけやらなくちゃいけないんだな」か、「小娘のくせにオレよりも稼ぎやがってむかつく」「どうせバカな信者から金を巻き上げてるんだろ、ケッ」となるかのどっちかである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

一般の人々が公務中の皇族を撮影することはマナー違反なのか。宮内庁に取材した(時事通信フォト)
《「非礼ではないか」の声も》宮内庁が回答した「一般の方々」の“撮影・投稿ルール” とは…佳子さま“どアップ”動画に称賛も、過去には“寝顔盗撮”が問題に
NEWSポストセブン
“ラブホテル通い”を認めた小川晶・前橋市長
《前橋市長が利用した露天風呂付きラブホ》ベッド脇にローテーブルとソファ、座ると腰と腰が密着…「どこにどのように着席して相談したのか」疑問視される“部屋の構造”
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《自分の身体で稼いだものだ》「タダで行為できます」金髪美女インフルエンサー(26)、離婚手続きで夫サイドと資産めぐり対立「一部が分配されるべき」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
「家に帰るのが幸せ」大谷翔平がリフレッシュする真美子さんとの“休日”「スーパーにお買い物に行ったり…」最近は警備強化で変化する「デコピンの散歩事情」
NEWSポストセブン
高市氏、小泉氏
自民党が進める“日本維新の会との連立交渉”に2つの壁 維新が連立条件に掲げる「大阪副首都構想」は自民党内の大きな火種に、大阪で対立する公明も強い難色
週刊ポスト
日本のエースとして君臨した“マエケン”こと前田健太投手(本人のインスタグラムより)
《国内復帰を目指す前田健太投手》「漂う関東志向」元アナウンサー妻がSNSに投稿した“東京の父”と慕うカープの大先輩との写真
NEWSポストセブン
草間容疑者は新宿区内の雑居ビルエントランスで逮捕された
《マスク姿でウロウロ…》草間リチャード敬太容疑者が逮捕前に見せていた“不可解な行動”とは 近隣店従業員が「一見酔っている様子はなくて…」と語る“事件直前の姿”
ハッシーが語った“転落”(本人SNSより、現在は削除済み)
性風俗店受付の面接を受け「なんでこんなことに…」人気棋士・ハッシーが法廷で語った離婚後の“転落”「公園で過ごすことも」【橋本崇載被告・公判】
NEWSポストセブン
アルゼンチンで女性3名が殺害される事件が発生した(Instagramより)
「性的パーティーに誘われて…」「左手の指5本と耳を切断」アルゼンチンで女性3名が殺害 “インスタ生配信”で凄惨現場を約45人が視聴《深刻化するフェミサイド》
NEWSポストセブン
総裁選に出馬した林芳正氏(時事通信)
「2時間ほどしていた」「紳士でした」“セクシーヨガ”と報じられた美人インストラクターが語る林芳正氏のスタジオでの姿
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
《クロスボウ殺人》母、祖母、弟が次々と殺され…唯一生き残った叔母は矢が貫通「息子は、撃ち殺した母をリビングに引きずった」【野津英滉被告・公判】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 朝日新聞を襲う「森友ブーメラン」スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 朝日新聞を襲う「森友ブーメラン」スクープほか
NEWSポストセブン