ビジネス

オカモトVS中国メーカー裁判 賠償金17円の理由

オカモトのホームページ

 日中メーカー間で起きた異例の訴訟に決着がつき、中国メディアが大騒ぎだ。ネットメディア「環球網」はこんな見出しの記事を掲載した。〈コンドーム大戦 メイドインチャイナが日本に完全勝利 より薄く使いやすいため〉(2月26日付)──。

 中国・広東省の広州市越秀区裁判所は、コンドームメーカー・広州大明連合ゴム製品の訴えを認め、日本のコンドーム製造大手・オカモトに「世界最薄のコンドーム」という広告表記の即時停止と広告表記のある商品の販売停止に加え、賠償金1元(約17円)の支払いを命じた。賠償額がたった17円とは何とも人を食ったような裁判だが、事の発端は2012年に遡る。

 オカモトは2003年に発売した製品「ゼロゼロスリー」が2012年に「薄さ0.038ミリでラテックス(ゴム)製コンドームとして最も薄い」とギネス記録に認定されたのを契機に、中国国内の店頭で記念キャンペーンを実施した。

 しかし、2013年12月に大明連合の製品「アオニー」が薄さ0.036ミリでギネス記録を更新。オカモトはキャンペーンを終了したが、ギネス記録を表示した商品の回収が追いつかず、2014年9月に大明連合が提訴するに至った。

 しかし、この提訴には首を傾げる人が少なくなかった。中国在住のジャーナリストが語る。

「提訴の報道が出てすぐに成人用品店を回ったが、どの店もアオニーを扱っておらず、店主らも『そんな商品聞いたことがない』と口を揃えていた。中国人に聞いても誰も知らなかった」

 中国でのコンドームの流通に詳しいメーカー関係者は大明連合の“狙い”をこう推測する。

「中国にはコンドームメーカーが多数あるが、その中でも同社は無名の企業。1元という賠償請求額を考えても、売名裁判であることは明らかだ。そもそも、ギネス記録が認定したのは薄さだけであって、安全性をチェックする耐久テストは含まれていない。ただ薄いだけの商品ならどんなメーカーでも簡単に作れてしまうのです」

 こんな見立てに大明連合はどう“反論”するか。広報担当者に話を聞いた。

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン