そんなヒラリー氏と対極にいるのがトランプ氏。2度の離婚、4度の倒産を経験しながら、100億ドル以上ともいわれる資産を有する成功者だが、度重なる「失言」で大バッシングを受けている。しかし、支持は絶大だ。
「彼の“再び米国を偉大にする”というシンプルかつ強いメッセージが、国民の心をつかんでいます。失業問題に“移民が多いからだ”と言ったり、米国がテロの脅威にさらされているのは“海外とかかわるからだ”と主張したり、極端な物言いで批判されますが、国民が言えないけど、実はそう思っていた…ということをトランプが代弁しているということが、危険ながらこの高い支持率の原因です」(山久瀬さん)
基本的にアメリカは州ごとの分権主義なので、米大統領の権限は限られている。しかし、日本にとって米大統領が誰になるかは重要な問題。それは、米大統領が外交と軍事の権限を持つからだ。
その点から、トランプ氏は演説やイベントで日米同盟の「片務性」(日本がピンチのときアメリカは助けるが、アメリカがピンチでも日本は海外で自由に展開できる軍隊を持たないので助けられない)や、「反TPP」(国内産業の保護を強く主張)を掲げる。
「トランプ氏が大統領になったら、日本が戦争に参加せざるをえない状況が起こる可能性は否定できなくなります。また移民にNOを突きつけているので、グリーンカードの取得やビザの発給の規制が厳しくなる可能性が大いにあります」(山久瀬さん)
じゃあ、ヒラリー氏なら! と思ってしまうが、どうも彼女、反日というニュースが…。
「ヒラリーは本物の政治家。周りの反応を見ながら主張を変えていくこともあります。その態度を嫌う人も多いのですが、経済やビジネス面など多角的に見て、各国と外交していくでしょうから、日本をぞんざいに扱うこともないと思います」(山久瀬さん)
※女性セブン2016年3月24日号