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DJ KOO かつての月収5万円生活とどん底からの転機を語る

月収5万円の極貧生活時代を振り返るDJ KOO

 最近は独特の天然ボケっぷりが人気を集め、バラエティ番組やイベントに引っ張りだこのDJ KOO(54)。自身がリーダーを務めるTRFは、1990年代の「小室ファミリー」一大ブームの火付け役となり、CD総売上は2170万枚超を誇っている。このTRFデビュー以前の厳しい下積み生活と、その成り上がり具合を、自身初の著書となる『EZ DO LIFE!』で明かした。DJ KOO本人が語る。

「ボクは10代後半からDJを始めてトントン拍子で出世し、すぐに新宿の有名ディスコのチーフDJに抜擢された。ところが、風営法改正(1984年)でディスコの営業時間が大幅短縮されたため、客が激減。瞬く間に仕事がなくなり、月収5万円なんて時期が長く続きました。結婚してすぐのことだったので、妻からすれば結婚詐欺に遭ったみたいなもんですよね(苦笑)」

 この頃、母の死や、dj hondaらと立ち上げた最初のユニット「THE JG’s」が自然消滅してしまったこともあり、精神的にもどん底の状態にあったという。仕事も金もなく、音楽機材まで売り払ってしまった彼は、妻と一緒に実家に転がり込み、友人のツテで見つかった清掃員のアルバイトを始める。

「ツナギを着てタオルを頭に巻き、早朝から夕方まで、体育館やパチンコ店、競馬場など、様々な場所を掃除して回った。日払いの、その日暮らし。自分の未来に対する希望が見えず、先行き不安に駆られることもありましたが、あることをきっかけに変わりました」

 そのきっかけはごく些細なこと。「置かれた状況を楽しむ」という気持ちの切り替えだった。清掃員としてどうすれば一流になれるのか。広い場所の効率的な作業方法、汚れ落としや磨き方のテクニック、ワックスや洗剤に関する専門的な知識……。極めれば極めるほど、仕事を楽しめるようになっていったという。

「DJとしての名声も手に入れていたので、最初はちっぽけなプライドもあった。でも、何事も極めようとすると、それ自体が楽しめるようになる。この時のボクの人生のKOO(教)訓は、『ただ、目の前のことをやるだけで、必ず道は拓ける』というものです」

◆DJ KOO(ディージェイ・コー):1961年生まれ、東京都出身。数々の人気ディスコでDJを務め、日本初のノンストップ・ミックスCDなどを手がける。1993年、小室哲哉プロデュースの「TRF」活動開始。『EZ DO DANCE』『survival dAnce ~no no cry more~』『Overnight Sensation』などが次々と大ヒットし、CD総売上は2170万枚超。初の著書『EZ DO LIFE!』は、『王様のブランチ』の「文芸書ランキングTOP10」入りするなど話題沸騰中。

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