「しあわせって何だっけ」──そんな曲がヒットしたのは1986年のこと。あれから30年、バブルがはじけて不況を生きてきて、「幸せの形」もあの頃とは随分と変わったのではないか。だからもう一度、考えてみたい。幸せってなんだろう。幸せは何処にあるのか? このたび、人生をリセットして「後妻という生き方」を選んだ女性たちをルポした『後妻白書 幸せをさがす女たち』(小学館)を上梓した作家の工藤美代子さんと、タレントでエッセイストの小島慶子さんが、本音で語り合った。ここでは、熟年女性の「婚活」についてだ。
工藤:伺いたかったのは、もしお母さまが生々しく女性として婚活をして結婚すると聞いたら、どんな感じがしますか?
小島:母親が女であるという気配を感じるだけでも嫌でしたから、大人になっても受け入れるのに時間がかかるかもしれません。
工藤:後妻になって幸せなかたも、いちばん大変なのは子供、特に娘さんとの関係なんです。でも女は強いなと思ったのは、皆さん子供を捨てる覚悟で後妻に入っているんですよ。
小島:おおっ。でも、子供に寄りかかられるより、養ってくれる人がいた方がいいかもしれない。まあ何より本人が幸せならいいですよね。
工藤:私のお友達で本(『後妻白書 幸せをさがす女たち』)にも出てくる桃子さんは、67才だけど意識は中年なんです。40代の小島さんから見てどう思われますか?
小島:今は60代まで、人生の半分ぐらいは中年だと思いますね。私も閉経後の中年期をどう生きるか、今から毎日考えていますから(笑い)。
工藤:ああ、そのお気持ちはすごくわかる。私も40代半ばの頃は、このまま老人街道まっしぐらで人生が終わる、もう女性としてのマーケットバリューは完全になくなったと思いました。だから、お仕事を一生懸命やらなきゃとか、貯金しなきゃと思っていたけど、周りの人たちを見て、そんなことは考えない方がいいと気づいたんです。