只見線が全線復旧することを待ちわびる、垂れ幕がかかる只見駅。


 赤字路線の維持・復活に、自治体の熱意は欠かせない。例えば、名松線と同様に福島県の只見線は2011年に豪雨災害で橋脚や線路が流失。現在も会津川口駅-只見駅間が不通になっている。

 只見線は福島県会津若松市の会津若松駅と新潟県魚沼市の小出駅を結ぶローカル線で、1日の平均利用者数は約320人程度。仮に全線が復旧しても赤字路線であることは変わらず、赤字額は増え続ける。

 それでも、福島県や沿線の市町村、東邦銀行など福島県を地盤にする企業などは只見線の全線復旧を諦めない。福島県の担当者は、こう話す。

「只見線の全線復旧は福島県と17市町村が一丸になって、2016年3月末までに21億円を超える寄付金を集めました。利用者数だけを見れば、只見線は赤字路線で、今後も黒字転換するのは難しい。それでも、只見線は福島県にとってなくてはならない路線だと考えているからです。行政ばかりではなく、そうした思いは地元の企業や市民の人たちにも少なからずあります。だから、多額の寄付金が集まったと考えています。この寄付金を元にして、JR東日本に復旧を働きかけていきます」(福島県生活交通課)

  福島県民の只見線への思いは、集まった寄付金の額からも伝わるが、他方でJR東日本の反応は思わしくない。

「只見線の全線復旧については、福島県が検討委員会を設置すると聞いています。弊社はオブザーバーとして検討委員会に参加する予定ですが、復旧の可否についてはJR東日本からは何も申し上げられません。ただ、利用実績から見るに、バス代替で十分に対応できるのではないかと考えています」(JR東日本広報部)

関連キーワード

トピックス

11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。劉氏はポケットに両手を入れたまま(AFP=時事)
《“両手ポケット”に日本が頭を下げる?》中国外務省局長の“優位強調”写真が拡散 プロパガンダの狙いと日本が“情報戦”でダメージを受けないために現場でやるべきだったことを臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン