実はJR東日本管内では、2010年に豪雨災害で全線が不通に追い込まれた岩泉線という路線があった。岩手県の山間地を走っていた岩泉線は復旧を模索したものの、2014年に復旧を断念。あえなく廃線に追い込まれた。奇しくも、ほぼ時を同じくして東日本大震災で被災した三陸鉄道が全線復旧を遂げたのにも関わらず、だ。
超がつくほど赤字路線と言われながらも全線が復活する名松線は幸運な事例と言っていいが、名松線が今後も生き長らえるかどうかは誰にもわからない。
「利用者を増やすためには、名松線に乗ってこの地を訪れたいと思えるような観光資源の発掘など、地域の魅力を高めていただくことが重要であると考えています。自治体をはじめとした地域の取り組みに期待しています。弊社としても可能なかぎり協力をしていくつもりです」(JR東海広報部)
3月26日、鉄道ニュースは北海道新幹線一色に染まるだろう。鉄道業界・関係者にとっても喜ばしいことだが、ひっそりと日常生活を支えるローカル線にも思いを馳せてほしい。