ライフ

2世代夫婦のカルテットに憩う 西広島のアットホーム角打ち

角打ちは、2代目・勉さんが一昨年の11月に始めた

 広島から山陽本線を3駅下れば西広島。この駅で下車して、逸(はや)る心を抑えながら旧道を西へ7分ほど歩いて行くと、広島の角打ちファンを喜ばせている『リカーショップ マツヤ』にたどり着く。

 酒屋としては昭和33年の創業。その後、先代の大塚幸司さん(68歳)が、平成2年に現在の場所に店を移し、この屋号に変更して酒・米・食品を扱いながら、地域と密着して歩んできた。

「私は京都の人間なんですが、18歳のときに、おじ(創業者)がこちらでやっていた松屋酒店に修業に来たんです。5年目に地元の女性(おり江夫人)と知り合って結婚し、振り返ると広島でもう50年になりました」という実質初代の幸司さん。だが、この店の角打ちは、2代目の大塚勉さん(41歳)が平成26年11月に始めたのだという。

「酒についてのファンをもっと増やしたいと、ずっと考えていましてね。いろんな酒があるし、いろんな飲み方もあるわけで、それを知ってもらうには、店の中で飲めるのが一番じゃないですか。そこでまず、有料試飲という形をとったんです。酒屋で飲めるんで敷居が低くなったと言って、酒のベテランだけでなく若い世代も来てくれるようになりました」(勉さん)

 この夜もすでに7~8人の客が飲み語らっているが、よく見ると、店の中央で彼らが囲む角打ち台は、1台の小型冷蔵ショーケースと逆さにしたビールケースひとつ分だけの小ささだ。

「お嫁さんの亜紀子さんのアイディアだそうです。中央を占拠していた商品棚を壁際に置いたことで、窮屈感もないですし、みんなギュッと一緒に囲めるんで、歓迎してます。この冷蔵庫の中に、勉さんが作る黄身が赤い半熟ゆで玉子や、亜紀子さんが選別したいろんな種類のミニチーズが入っているんですけどね。これがまた理屈抜きにうまいんですよ」(40代、サービス業)

関連キーワード

トピックス

独走でチームを優勝へと導いた阪神・藤川球児監督(時事通信フォト)
《いきなり名将》阪神・藤川球児監督の原点をたどる ベンチで平然としているのは「喜怒哀楽を出すな」という高知商時代の教えの影響か
週刊ポスト
容疑者のアカウントでは垢抜けていく過程をコンテンツにしていた(TikTokより)
「生徒の間でも“大事件”と騒ぎに…」「メガネで地味な先生」教え子が語った大平なる美容疑者の素顔 《30歳女教師が“パパ活”で700万円詐取》
NEWSポストセブン
ロッテの美馬学投手(38)が今シーズン限りで現役を引退することを発表した(時事通信フォト、写真は2019年の入団会見)
《手術6回のロッテ・美馬学が引退》「素敵な景色を見せてくれた」国民的アニメの主題歌を歌った元ガールズバンド美人妻の想い
NEWSポストセブン
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン