国内

自民・稲田氏と民進・山尾氏 「女性政治家」としての思い

女性政治家としての思いを語る稲田議員

 女性が参政権を得てから今年でちょうど70年が経つ。1946年4月の衆議院選挙から、女性の参政権が認められた。この間、女性と政治との距離はいつも遠かった。女性たちが、政治に期待することもあったが、いつも裏切られ、悔しい思いをしていた。政界という男性中心の社会に女性の声は届かず、その無力さを思い知らされることが多かったのだ。

 それが最近、少し変わってきたようだ。例えば、待機児童問題。ずっと政治が放置してきた母親たちの叫びは、「保育園落ちた日本死ね!!!」の匿名ブログをきっかけに大きなうねりとなり、ついには政府を動かしつつある。

 それは与野党を代表する女性議員2人の言葉からも、確かな変化が伝わってきた。

「正直、これまで自分が女性政治家であると意識していなかったけど、今回の待機児童問題で考えが変わりました。自分が女性であり、母親であることを思い知ると同時に、ママの声が大きなムーブメントとなって、政治を動かせることを知ったんです」

 こう語るのは、先の待機児童問題で安倍首相を舌鋒鋭く追及し、当選2回にして民進党の政調会長になった山尾志桜里衆議院議員(41才)。今回の件で、「女性政治家として何ができるのか」を強く意識するようになったと言う。

 そしてもう1人、当選4回にして安倍政権で内閣府特命担当大臣などを歴任し、今や「女性宰相に最も近い」と評される自民党の政調会長・稲田朋美衆議院議員(57才)はこう語った。

「私は弁護士時代から男性社会で生きてきたので、以前は性別にこだわることにすごく抵抗があり、“女だから”はどうなのかと思っていましたが、最近は考えが変わりました。

 例えば、長時間労働をやめて、夫婦で家事や子育てを分担できれば、夫にとっても子供と遊んだり、趣味を楽しむ時間が増えます。女性が活躍する社会を政治が実現できれば、男性のためにも経済効率性にとってもよいと思うようになりました。党でも、これまで女性活躍は、男性目線で“何かやってあげる感”がありましたが、今は違います。“女性が活躍することで日本をよくしよう”という意識に変わっています」

 政策や国家観がまるで異なる2人が、奇しくも「女性として」「女性だから」と口をそろえるのだ。

撮影■浅野剛

※女性セブン2016年5月12・19日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン