ミニスカがファッションとして定着した1970年代になると、アイドルが自然と生脚を露わにするようになる。沖縄から彗星のように現われた南沙織や、初代ユニチカマスコットガールの風吹ジュン、『十七の夏』『夏にご用心』でホットパンツをはいた桜田淳子。岡田奈々も水着姿で若さ弾ける脚を見せた。キャンディーズも、曲中で太ももを見せる機会が多かった。

「70年代は、今のように細くて長い脚を見せつけるというのではなく、アイドルが健康的な脚を恥ずかしげに見せる時代でしたね」(芸能評論家の宝泉薫氏)

 この頃、ハワイ出身のアグネス・ラムが来日。完璧なプロポーションは大旋風を巻き起こした。日本人離れした美脚を持つ浅野ゆう子は「ジャンプするカモシカ」というキャッチコピーを引っ提げてデビュー。脚線美を保つために母親が正座をさせなかったエピソードも話題となった。1979年、27歳と色気の出てくる時期に、松坂慶子はドラマ『水中花』でバニーガール姿を披露し、世の男を魅了した。

 そして社会現象となったピンク・レディーの登場である。デビュー曲『ペッパー警部』で生脚を強調したダンスが注目された。当初は男性ファンを取り込もうとしたものだったが、子供がマネをし始める思わぬ波及効果を生んだ。

「結果的に、70年代生まれの子供にとって太ももを露出するハードルが下がりました。そして彼女たちが大人になる80年代後半から90年代前半にバブル景気が起こり、ボディコンファッションが流行。女性が体のラインで自己主張をする時代になりました」(宝泉氏)

※週刊ポスト2016年5月27日号

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