また、『日経MJ』(4月29日付)によると、サンフランシスコでは朝夕の通勤時に多数の乗客を相乗りで運ぶ“乗合バン”の「チャリオット(Chariot)」も急成長している。クラウドファンディングを活用して住民からルートを募集し、同一ルートに120~200人が投票したら運行が始まる仕組みで、利用する時は事前にアプリで席を予約できるという。いわばフィリピンの小型乗合バス「ジープニー」の進化版である。
日本の場合、乗合タクシーが走っているのは、成田、羽田、中部空港と長野県、新潟県、群馬県、埼玉県との間や地方空港と最寄りの主要都市との間(もしくは交通の便が非常に悪い地域など)くらいで、通勤に特化したものは聞いたことがない。
だが、首都圏でウーバー・プールやチャリオットのようなサービスを展開すれば、ラッシュアワーの満員電車から逃れたい人たちの利用が大いに見込めると思う。地方都市なら、マイカーで通勤する人が減って朝夕の渋滞が緩和されるだろう。
さらに、お盆や年末年始に帰省する時も、同じ郷里に向かう人たちをマッチングして相乗りタクシーを運行すれば、料金は高速道路も含めて割り勘になり、ドア・ツー・ドアで移動することができて便利だから、相当なニーズがあると思う。このライドシェアというやり方は、ネット時代ほど“集客”が楽になり、料金も下げられるメリットがある。
※週刊ポスト2016年6月24日号