国内

安倍首相として東京五輪開催を迎える鍵はプーチン氏来日

 安倍晋三首相が最終的に目指しているのは、2020年東京五輪を首相として迎えることだろうと経営コンサルタントの大前研一氏はみている。そのためには、必ず圧勝できるタイミングで総選挙を実施しなければならず、支持率を上げるために必要な政治的イベントを国民に見せねばならず、大前氏はロシアのプーチン大統領来日が千載一遇のチャンスだと分析している。

 * * *
 安倍首相は6月1日の記者会見で「衆院解散・総選挙について頭の中をよぎったことは否定しない」などと述べたが、あれは詭弁だろう。私は早い段階から、今夏の衆参同日選はないと見ていた。なぜなら、安倍首相が最終的に目指しているのは、2020年夏の東京五輪開催時に首相の座にいて、それを花道にすることだと思うからである。

 自身の政治的なレガシー(遺産)として「東京五輪を誘致し、大成功に導いた総理大臣」という称号を喉から手が出るほど欲しがっていると思うのだ。

 もし今回、衆参同日選をやれば、東京五輪を迎える前にもう一度総選挙をしなければならない。次の次はないかもしれないから、安倍首相は必ず圧勝できるタイミングでやるはずだ。

 そう考えると、総選挙に勝つための千載一遇のチャンスは、年末までに予定されているロシアのプーチン大統領の来日である。その日露会談でロシアへの大規模な経済支援と引き替えに北方領土返還に道筋をつけ平和条約を締結すれば、安倍内閣の支持率が跳ね上がることは間違いない。

 来日前に9月のウラジオストク会談で交渉が進展する可能性もあるが、アメリカ大統領選挙がある11月8日から来年1月20日の就任式まで70日間の“真空期間”が(アメリカの過度な干渉を受けない)日露交渉の狙い目となる。

 ロシアのラブロフ外相は「我々は南クリル諸島(北方領土)を渡さないし、平和条約(締結)を日本側にねだることもない」「交渉の前提条件は、日本が無条件で第二次世界大戦の結果を受け入れることだ」と牽制している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
PTSDについて大学で講義も行っている渡邊渚さん(本人提供)
渡邊渚さんが憤る“性暴力”問題「加害者は呼吸をするように嘘をつき、都合のいい解釈を繰り広げる」 性暴力と恋愛の区別すらできない加害者や擁護者への失望【独占手記】
週刊ポスト