国内

舛添、猪瀬、菅直人 なぜ墜ちた団塊は助けてもらえないのか

なぜ簡単に切り捨てられてしまうのか?

 舛添要一・前東京都知事(1948年生まれ)の辞任騒動をはじめ、その前任の猪瀬直樹氏(1946年)、首相の座にまでのぼりつめた菅直人氏(1946年)、経営者では東芝元社長の佐々木則夫氏(1949年)など、ここ数年の間に「団塊エリート」たちの失脚が相次いでいる。「勝ち組」だったはずの彼らに何が起きたのか。実はそこには、ある“共通点”があった──。

 戦後のベビーブームの1947~1949年前後に生まれた団塊世代は約1000万人おり、高度経済成長期の1960年代に青春期を過ごし、経済成長の労働力を支えてきた。

 同世代の人数が圧倒的に多いことから、学校でも社会でも熾烈な競争を余儀なくされ、そのマンパワーは良くも悪くも日本の社会、経済、文化に大きな影響を与えてきた。それゆえ他の世代とは異質な特徴を持つのも事実である。

 冒頭の人物たちは、その競争を勝ち抜いてトップに上り詰めた、団塊世代の「スーパー勝ち組」なのだ。

 もちろんエリートにだって失敗はある。だが、それ以上に印象的なのは、彼らが落ち目になるや、誰も助けようとしないことだ。

 舛添氏は自民党に担がれて都知事になったが、政治資金私的流用問題では自民党にまったくかばってもらえなかった。東芝の佐々木氏に至っては、かばうどころか内部告発が続出し、身内の離反と裏切りに晒された。

 なぜ彼らはかくも簡単に切り捨てられてしまうのか。団塊世代のサラリーマンを主人公にした人気漫画『島耕作』シリーズの作者・弘兼憲史氏がいう。

「舛添さんは腹を割って相談できる相手がいなかったのでしょう。自分ができすぎるというイメージが自身の中にあると、どうしても『他人の意見を聞くまでもない』という態度になってしまう。周囲から仲間だと思ってもらえず、好かれないのも当然です。猪瀬さんにしても菅さんにしても、団塊世代の中の『勝ち組』は相当な競争社会の中で勝ち残ってきた人たち。だから自己完結していて、傲慢なところが共通している」

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン