国内

在特会桜井誠元会長 都知事選出馬表明のメリットとは

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 参議院議員選挙、東京都知事選と続く選挙シーズンに突入した。7月31日に投開票日を迎える予定の東京都知事選には、様々な有名人たちを含めた候補者の名前があがっている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ヘイトスピーチ解消法が成立したことで逆風が吹いている桜井誠氏の出馬表明に着目し、その目的と効果、影響について解説する。

 * * *
 東京都知事選という目立ちたがりどものカーニバルが幕を開けようとしているが、その中でも注目しているのは、在日特権を許さない市民の会(在特会)元会長・桜井誠の出馬表明である。誰? と思うかもしれないが、大阪市長だった橋下徹と「お前」「お前っていうな」と議論にもならない茶番を繰り広げた小太りメガネの男と言えばわかるかもしれない。

 桜井や彼が所属していた在特会がデモやツイッターで展開する主張は、「日韓断交」「在日韓国人が持つ特権を剥奪せよ! 日本人差別はやめろ」「在日は韓国に帰れ」といったものだらけで、基本的には「韓国嫌いな人々による被害者意識&差別意識丸出し発言」が主だ。

 通常、泡沫候補は供託金300万円を支払って壮大なる自費出版をするようなものなのだが、桜井の今回の件は彼の目的からすると理に適っている。こうした主張を都知事選によってすることができるからだ。

 ヘイトスピーチ解消法ができた今、同法に強制力はないものの一定の抑止力は生んでいる。また、反対勢力(カウンター)の存在もあり、街頭での嫌韓デモは一時期ほどの勢いはない。

 そんな中、桜井は政見放送と選挙公報にて主張を展開することが可能になる。過去に外山恒一という候補が「スクラップ&スクラップ」「私が当選したらヤツラはビビる! 私もビビる」と政見放送で主張し、その後YouTubeで公開されて外山は全国区となった。

 今回も「あまりにも過激すぎる都知事候補がいる」と桜井の政見放送を見ておもしろがったり、潜在的に韓国に対して反感を持つ者が共感することだろう。桜井は演説自体は上手なものだから、一見聞いていると保守の論客のようにも見える。すると、前回の都知事選で61万票を獲得した田母神俊雄票の何割かを取れるかもしれない。

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン