ビジネス

新聞再編 毎日と産経が「反読売連合」で朝日は静観か

新聞業界も再編か

『文藝春秋』(7月号)に掲載された〈新聞社の大再編〉を予想した記事が話題を呼んでいる。生き残りを賭け合従連衡の動きを見せ始める各新聞社。再編劇の引き金となるのは読売新聞による時事通信の吸収合併との見方もある。

 時事と読売が合併すれば、ライバルの共同通信も黙ってはいないだろう。他の全国紙と共闘態勢を敷く可能性がある。

 そもそも全国紙はどの社も部数減に喘いでいる。実態は公表数字以上に深刻だと話すのは、前出の文藝春秋記事の執筆者で元全国紙記者の幸田泉氏である。

「新聞社は実売部数を絶対に公表しませんが、それは“押し紙”の量が多すぎるからという疑念が拭えない。公表している発行部数と、実際に読者が手に取る実売部数に大きな乖離があるためです。私の試算では、現在の部数減のスピードが続けば、2020年に実売で読売新聞は500万部、朝日新聞350万部、毎日新聞は100万部台にまで落ち込む可能性があります」

 押し紙とは、新聞社が販売店に実際の宅配部数以上の新聞を押し付けて買い取らせることだ。独占禁止法で禁止されている行為で、今年3月、公正取引委員会が販売店の申告を受け、朝日新聞に「注意」を行なったばかりだ。

 部数が減れば、広告収入も減る。2000年に1兆2000億円を超えていた新聞全体の広告収入は、2015年には半分以下の5679億円まで激減した。元毎日新聞常務の河内孝氏の指摘だ。

「全国紙各社は部数減による減収分を、リストラや他社の印刷所で新聞を刷ってもらうなどのコスト削減策で凌いできた。でも、それも限界です。“ネット時代の収益の柱”と期待された新聞のデジタル版も黒字なのは日経新聞ぐらいで、後は軒並み苦戦している。新聞業界はずっと以前から、構造的に再編・淘汰が避けられない瀬戸際に追い込まれていたのです」

 どこかが再編の動きを見せれば、ドミノ式に動くことが考えられる。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン