「二つの選択肢があります。まず、昔に治療した銀歯を外して、セラミック等の二次カリエスになりにくい材質に変える方法。ただし、セラミックは自費診療なので、クラウンだと10万~15万円(一歯あたり)と費用がかかりますし、いま特に問題がない歯をいじるのはお勧めできません。
もう一つは、定期的に虫歯がないか歯科クリニックでチェックする方法です。部分的に銀歯を詰めている状態なら、ドイツ製のレーザーを使った虫歯検知器で虫歯を早期発見することができます。ただし、銀歯のクラウン内部には虫歯検知器を使えないので、レントゲン撮影と組み合わせて総合的に診る必要があります」
日本では、虫歯を定期的にチェックする検診は原則として保険適用外だ。そのため、坂詰歯科医院では「虫歯検知器」を使ったチェックを無料の患者サービスとして実施している。
悪徳的な歯科診療を行なうクリニックは多いが、利益を最優先せず、地域住民の歯を守るために努力を惜しまない歯科医もいる。そうした歯科医のチェックを受けることが肝要だ。
●取材・文/岩澤倫彦(ジャーナリスト)と本誌取材班
※週刊ポスト2016年8月5日号