国内

植松聖容疑者の言動 危険ドラッグ常用者の「気付き」に酷似

植松容疑者の言動には偏った傾向が見られた(Twitterより)

 神奈川県相模原市で起きた元介護職員による殺傷事件は、日数が経ち、様々な情報が追加されても、いったいなぜ、このような凄惨な事件を起こすに至ったのか不明なままだ。容疑者の身勝手な言葉から、危険ドラッグが容疑者の言動に及ぼした影響について、『脱法ドラッグの罠』著者のライターの森鷹久氏が考察する。

 * * *
<植松容疑者から大麻の薬物反応 今年2月の措置入院時>

 これは神奈川県相模原市の障害者福祉施設で起きた戦後最悪の殺傷事件を報じる際に、朝日新聞がウェブ版に7月26日の午後2時半、つまり事件発生からおよそ12時間後に出した記事の見出しだ。

「違法薬物である大麻を使用していた犯人が、凶行を犯した」

 読者の多くがこう感じるであろうが、これは事実でもあり、一方で非常に作為的な記事にも思える。というのも、植松聖容疑者(26)の姿は、危険ドラッグとそれをめぐる人や出来事をずっと追い続けて来た私が繰り返し見た、典型的な「危険ドラッグ愛好者」の行動パターンとそっくりだからだ。彼らは、ダウナー系になる大麻を日常的に使用する者にはあまりみられない特徴を持っている。

 かつて脱法ハーブという呼ばれ方をした頃には様々な系統が存在していた危険ドラッグだが、取り締まりが厳しくなり「危険ドラッグ」という呼び名が広まった頃から現在は、神経を過敏にしてテンションを高めハイにするものばかりが流通している。その、神経を高ぶらせるタイプの危険ドラッグ常用者と同じ特徴を植松容疑者は見せている。実際に植松容疑者には、大麻以外に、大学生時代から最近まで「危険ドラッグ」を日常的に使用していたという知人の証言もある。

 危険ドラッグを用いたことにより、ある日突然に、世間やネット上にあふれる何気ないフロー情報から真実を「発見」出来ると彼らは言う。危険ドラッグ愛好者の間でそれはしばしば「気付き」とも称されている。これまで、数多くの危険ドラッグ使用者の話を聞いてきたが、彼らの大変に身勝手な「持論」の数々は、今回、植松容疑者がネット上に残した言葉や、取り調べで話す「動機」とぴったり符合するのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン