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2016.08.21 07:00  週刊ポスト

時代劇研究家・春日太一氏が選ぶ「心震える大河ドラマ」TOP5

【3位『草燃える』(1979年)】
主演/石坂浩二(源頼朝)岩下志麻(北条政子)、原作/永井路子、脚本/中島丈博

 源頼朝を中心に東国武士団の人間像に迫る。小土豪の娘から頼朝に一途な恋をし、最高権力者にまで上り詰める尼将軍・政子の苛烈な性分を演じきった岩下志麻は見事。

「源平合戦から鎌倉幕府草創期にかけての源氏の興亡が描かれる。石坂浩二の演じる源頼朝の冷酷なマキャベリストぶりも強烈だが、注目は北条義時(松平健)と伊東祐之(滝田栄)という二人の男。

 物語の前半は、北条家に一族を滅ぼされ自らも悲惨な目に遭った祐之が復讐の鬼と化して野盗にまで落ちながら悪の限りを尽くす一方、義時は名門の御曹司として理想主義を貫く。

 それが後半に一転、さまざまな人間たちの悲劇を目の当たりにしてきた祐之は煩悩を捨てて仏門に帰依、一方の義時は政争の果てに権力の亡者になっていく。二人の人間の交差する生き方を通して時代の光と影を照射していく、密度の高い人間ドラマになっている」

【4位『翔ぶが如く』(1990年)】
主演/西田敏行(西郷隆盛)鹿賀丈史(大久保利通)、原作/司馬遼太郎、脚本/小山内美江子

 激動の明治維新を生き抜いた二人の英傑の青春と決別を中心とする志士たちの群像劇。ナレーションやセリフに鹿児島弁を用いることでリアリティを追求した。

「西郷隆盛と大久保利通の友情が熱く描かれていくが、その周辺の人間たちもまた熱い。序盤で印象を残すのが西郷を見出す薩摩藩主・島津斉彬を演じた加山雄三だ。その凛々しさはいかにも英明。見事なまでのカリスマ性を出していた。

 一方、中盤以降はその弟で薩摩の最高権力者となる久光を演じた高橋英樹が強烈だった。兄の存命中は徹底して謙りながら、権力を握ると一転。大久保を抜擢しながらも西郷には嫌がらせを繰り返す様が実に憎々しく、薩摩にさまざまな悲劇をもたらす時代錯誤な判断ぶりも含め、時代劇ヒーローのイメージが強い高橋が新境地ともいえる芝居をしていたのが鮮烈だった」

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