就任直後の議会への挨拶回りで自民党の都議会議長に握手をしながらの写真撮影を拒まれると、“じゃあもっと上の人と直接話します”とばかりにすかさず安倍首相と二階俊博・幹事長に相次いで面会して握手を交わした。選挙で敵対した東京都連の頭越しに自民党のトップと手打ちをして見せたのだ。
それだけではない。小池氏は続いて“天敵”ともいえる五輪村のドン、森喜朗・元首相(東京五輪組織委員会会長)にも会談を申し入れ、「五輪費用削減で連携していきたい。森会長にも理解してもらった」とガッチリ握手した。
「これから自民党都議団との戦いが始まる。同時に官邸や森さんを敵に回せばそれこそ都政はストップする。そんなバカなやり方はしない。まずは遠くの敵と手を結んで都議団を孤立させる。遠交近攻は兵法の基本だ」(小池側近)
戦略的にはそうかも知れないが、感情むきだしで対立してきた相手と平気で握手などなかなかできる芸当ではない。細川護熙、小沢一郎、小泉純一郎といった時の政界の実力者の傍を渡り歩くなかで磨きをかけてきたこの変わり身の早さは流石というほかない。
※週刊ポスト2016年9月2日号