スポーツ

卓球水谷隼 過去の悔しさ、五輪後の変化、ガッツポーズを語る

大の字ガッツポーズの反響に驚く

 過去最多となる41個のメダルを獲得したリオデジャネイロ五輪日本選手団。8月24日に行われたメダリスト会見の直後、男子卓球のエース・水谷隼選手(27才)が本誌・女性セブンの取材に駆けつけてくれた。

 団体で銀、シングルスで男女通じて日本人初となる銅メダルを獲得した水谷選手。ギター侍こと波田陽区(41才)似のルックスが話題になると、すかさずツイッターで自らネタにするノリの良さで、“卓球侍”の愛称がつき一躍時の人に。メダリストとして、帰国後は取材が殺到している。

 1時間しか眠れない日もあるほど多忙を極めつつも、カメラを向けると、「徹夜明けの朝って気分ですが、目はバッチリ冴えていますよ。覚醒しています!」と場を盛り上げる。インタビューが始まるや、溢れ出す思いを熱く饒舌に語り始めた。

「世界がガラッと変わりました! 日本に帰ってきてテレビをつけると、毎日当たり前のように男子の卓球の話題が出てくる。そんなこと今まで一度もなかったので、すごく興奮するというか。ぼくたちの話題が出るとつい、にやにや見入っちゃいます」

 道などを歩いていても、たくさんの人から声をかけられるようになった。

「帰りの飛行機ではCA(キャビンアテンダント)さんに『試合、感動しました。これからも応援しています』とメッセージカードをいただきました。昨日はレストランで食事をしていたらシェフが『試合を見て感動しました』って、あわびの料理をサービスしてくださって(笑い)」

 かつてタモリ(71才)が「卓球って地味だよね」と語ったことがあるが、卓球、特に男子の卓球には“地味で根暗”なイメージがつきまとってきた。それは、水谷選手自身がさらされてきた視線であり、歩いてきた道でもある。

「サッカーや野球は特に結果を残さなくても、みんなが興味を持つ。試合もたくさん放送されて、ドキュメンタリーなどで選手にもスポットライトが当たったりするのに、卓球選手は世界選手権でメダルを取っても、注目されない」

 それでも2002年に映画『ピンポン』が大ヒットし、その後卓球ブームが到来した時には、小さな期待を胸に、急増していた卓球居酒屋を“偵察”して回っていたこともあった。しかし…。

「正直、あまり盛り上がってなくて、結局は廃れてしまいましたよね。卓球をテーマにした漫画が出てきても、なかなか長続きしない。いわゆる“温泉卓球”のイメージが強いんですよね。『卓球はすごく繊細だけど、迫力もあって魅力的なスポーツなんだ』というのは試合を見てもらえれば伝わるのに、って、もうずっと悔しかったです」

 17才で、全日本選手権男子シングルスで最年少優勝。そこから日本のエースと呼ばれトップを走り続けてきた。だが水谷選手はこの10年来、男女での扱いの差をずっと感じてきたと振り返る。ただでさえ機会が少ない大会のテレビの放映枠はゴールデンタイムが女子へ割り振られ、余った枠に男子が組まれるのが常。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン