芸能

ジョコビッチの声は魅力的 「鳩が集まった」と畑正憲氏

畑正憲氏はアスリートを一種の動物として見ているようだ

 ムツゴロウさんとして親しまれる畑正憲氏は、「そもそも人間も動物も同じ生き物。分けて考えるのが間違い」という考えの持ち主。そんな畑氏は、アスリートも一種の動物として見ているようだ。北海道標津郡中標津町のムツ牧場で暮らしている畑氏を、ノンフィクションライターの山川徹氏が訪ねた。(文中敬称略)

 * * *
 8月中旬。リオ五輪が佳境を迎えていた時期であった。

「ずっとテレビに釘付けだから大変ですよ。毎日寝るのが11時だから」

──夜11時までオリンピックを見ているんですか?

「いえ。昼の11時。ずっと中継を見ているから寝るのが昼前になってしまうんです。スポーツのことになると、ぼくはクレイジーだから。ボルトはダメだろうと思っていましたが、金メダルを取った。人類学的に見ても彼の身体は走るのに適しているんですね」

 動物と麻雀に対してクレイジーなのは知っていたが、スポーツもそうだったとは意外だった。それにしても、だ。ボルトの体格の話はまだ分かる。クレイジーさ……いや、面白さを感じたのは、テニスのジョコビッチの話である。

「ジョコはショットのたび『ウン!』『ウン!』と叫ぶでしょう。その声が聞こえると家にハトが集まってくるんですね。繁殖期のハトは鳴き合ってコミュニケーションを取るから、ジョコの声がよほど魅力的だったんですね」

 やはり視点が違う。畑はアスリートを一種の動物として見ているからこそ、スポーツに対してもクレイジーだったのである。

【プロフィール】畑正憲(81)/動物研究者・1935年福岡県生まれ。満洲開拓団に家族で参加。6歳から小学校3年まで同地で生活。東京大学理学部卒業。学習研究社で記録映画製作に従事した後、作家として独立。1980年よりテレビ番組『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』がスタート。多忙を極めたが、趣味の麻雀のためなら徹夜も厭わなかったという。

聞き手■山川徹(ノンフィクションライター)

※SAPIO2016年10月号

関連キーワード

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン