今再び起きている均一価格戦争は、各陣営がこうした過去の失敗を教訓に品質にこだわっていることが特徴だ。
高田どり酒場が「国産食材100%使用」を打ち出せば、コロワイドが新たに挑戦している「やきとりセンター」も岩手産の鶏肉を使った焼き鳥が280円。愛知に本拠地を置く280円居酒屋の「ニパチ」(運営/ヨシックス)は、毎月1日を「うなぎの日」に定め、うなぎ釜めしを驚きの280円(通常は480円)で提供している。
しかし、激安均一居酒屋戦争はますますエスカレートしていくだろうと予測するのは、前出の中村氏だ。
「いまは日高屋や吉野家など大手外食チェーンが次々と“チョイ飲み”業態を展開して居酒屋から客を奪おうと必死です。もはや、かつてのように客単価が3000円以上もするような飲み業態は注目されない時代です。
2000円も出せば質の高い料理がお腹いっぱい食べられ、しかも“本気飲み”ができるぐらいでないと均一価格の感動は与えられないでしょう」
鳥貴族は現在500店舗に迫る巨大チェーンに成長し、5年後には1000店の大台を目標に邁進しているが、今後、デフレ回帰の追い風に乗って「王者」を脅かす存在が出てこないとも限らない。