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2016.10.04 07:00  週刊ポスト

シャープ新体制とトルコ危機の共通点を大前研一氏が解説

 もう一つのトルコのクーデター未遂事件は、それ自体はビジネスと関係のない政治的な出来事だが、非常に示唆に富んでいる。

 この事件は、トルコ国軍の一部がイスタンブルや首都アンカラなどで反乱を起こし、国営テレビ局を占拠して外出を禁止する戒厳令を宣言したものの、休暇でリゾート地に滞在していたエルドアン大統領は難を逃れてイスタンブルに戻る機上からスマートフォンのテレビ電話アプリFaceTimeを利用してCNNトルコに出演、国民に広場や空港に集まってクーデターに抗議するよう呼びかけた。それに対して、多くの国民が応じて反乱軍は正規軍に鎮圧され、クーデターは12時間足らずで失敗に終わったのである。

 ここでエルドアン大統領がやったスマホ一つで民衆を動かし、クーデターさえも阻止するという手法は、実は企業経営においても無限の応用が可能である。すなわち、トップに能力があれば、世界のどこにいても、何をしていても、瞬時に自分の考えをダイレクトに配下の人々に伝え、組織を動かすことができるということだ。

 シャープとトルコで見られた事例は、従来のピラミッド型組織の時代が完全に終焉したことを意味している。そして、ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)時代のネットワーク社会では、一人一人の個人が年齢、経験、肩書、性別、国籍、民族、宗教に関係なく、トップのダイレクトな指示を受けて、どれだけ組織に貢献できるか、ということだけが問われるのだ。

※週刊ポスト2016年10月14・21日号

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