そんな鶴代に毅然と立ち向かったのは通子…じゃなくて、多衣。「(愛人が奥さんからされたことを)逆恨みするなんて、愛人の風上にもおけやしない!」ひえーっ、パート2。

「おけやしない」って言い回しにシビれますね。そして、愛人の風上ってどこなのかしら?一話に愛人が三人出てくるというハットトリックドラマは初めてみた。しかも、みんなで取っ組み合いになるのかと思ったら、なぜか一致団結して「花ずみ」に発注された「弁当1000個」完成に向けて腕まくりしているのである。

 これで丸くおさまるのかと思ったら、別れ話がこじれて前田を刺した千秋が血まみれで店に転がり込んできたり、独身に戻った通子に「僕にもチャンスが巡ってきたのかな」なんてことを言いだした社長(筒井道隆)が怪し気な取引をしていたりと、次々事件が。とにかく平和な時間が一分もないのである。豪華な着物を着こなす観月ありさの堂々の女将ぶりはさすがだが、やっぱり気になるのは、愛人三人。

 角川映画のヒロインだった渡辺典子の「人生いろいろありました感」はリアルだし、緒川たまきが鶴代のことを「同類だから…」なんて言う「ひそひそ声」にはゾクゾクする。でもって、烏丸せつこが醸し出すベテランの色気「愛人道」はもはや名人芸。宮藤官九郎の「オールナイトニッポン」では「烏丸せつこ最強説」が語られたが、せつこはその期待を裏切らない。

 ウサギ小屋、愛人の風上、同類など、強烈な名セリフも多いこのドラマ。『隠れ菊』どころか、みんな言いたいことをぶつけて、なんでも表沙汰になるところがミソである。

関連記事

トピックス

『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン