スポーツ

角居勝彦調教師 期待のカイザーバルは秋華賞をどう戦うか

角居勝彦調教師の秋華賞の戦い方

 今週は3歳牝馬によるGI秋華賞が行なわれる。断然の人気を集めるとみられていたオークス馬シンハライトが故障で回避。一転混戦模様となった。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、GI2勝をあげた牝馬ダンスインザムードの子で、角居厩舎から秋華賞に出走する期待の牝馬「カイザーバル」についての展望を聞いた。

 * * *
 6番人気で臨んだローズSで3着に食い込んだカイザーバル。1着のシンハライトにコンマ1秒差と頑張りました。3歳GⅠへの出走は感慨深いものがあります。

 しかしここまで、決して順調ではなかった。昨年9月の新馬戦(阪神芝1600メートル)は2着に4馬身差をつける圧勝。その鮮やかな勝ちっぷりと、GI2勝を挙げた名牝の子という血統のおかげで多くの期待をいただき、厩舎でも2歳のエース候補と目されていました。

 現在続々新馬がデビューしており、毎週のように「大器」や「クラシック候補」が誕生しています。1年前のカイザーバルも同じように注目を集めていましたが、まだまだ問題を抱えていました。新馬戦で勝ったスイッチを上手に切ることができなかったのです。

 繊細な気性のせいで競馬のストレスを引きずってしまう。カイバが食べられなくなって筋肉量が増えない。

 デビュー時は牝馬にしては480キロと大きな身体でしたが、その後は体重が乗っていかない。2戦目は重賞に挑戦して2番人気に支持されましたものの7着。年が明けて3歳になっても足踏みし、チューリップ賞でも6着に敗れ、桜花賞出走は断念。馬体重466キロで臨んだ君子蘭賞でようやく2勝目を挙げましたが、当初の目論見からは大きく遅れてしまったといわざるを得ませんでした。

 頭が上がりやすく、折り合いがつかなくなる。その悪弊と筋肉の細さのせいで推進力が弱く、なかなか勝ち切れなかった。その点ローズSは道中じっと頭を上げずに我慢してタメを作ることができた。ひと夏を越え、歳を重ねて落ち着きが出てきたようです。

関連キーワード

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン