国内

安倍首相が信頼する今井秘書官 「総理の懐刀」誕生まで

首相も全幅の信頼を置く人物とは

 長期政権の陰には、必ず「総理の懐刀」と呼ばれる人物がいる。中曽根内閣では「カミソリ後藤田」こと後藤田正晴・官房長官、小泉内閣には飯島勲・総理首席秘書官がいた。安倍政権では菅義偉・官房長官が「影の総理」とも称されているが、官邸にはもう一人、「本当の影の総理」といわれる経産官僚出身の今井尚哉・総理首席秘書官がいる。いまや大臣、自民党幹部まで総理に相談する前に今井秘書官の顔色をうかがうようになったほどだ。

 どうして今井氏はそれほど安倍首相の信頼を得ることができたのか。秘密は「今井家」の血脈にある。

 今井氏は東大法学部を卒業後、1982年に通産省(現・経産省)に入省した当時から「サラブレッド」として注目されていた。医師である父の兄は高度成長期に通産事務次官を務めた今井善衛氏、そして弟は新日鉄会長から経団連会長を歴任した今井敬氏という、政財界の重鎮に連なる華麗なる一族の出身だったからだ。

 安倍家とも縁が深い。伯父の善衛氏は作家・城山三郎氏の小説『官僚たちの夏』で主人公・風越信吾の同期で次官を争う玉木博文のモデルとなった人物。戦前の商工省時代に善衛氏の上司だったのが安倍首相の祖父・岸信介元首相(商工省次官、商工大臣を歴任)だ。しかも、今井氏自身が入省した時の通産大臣は安倍氏の父・晋太郎氏である。

 血脈の上でも今井家は安倍晋三首相の昭恵夫人と縁戚にあたる。もちろん今井氏はコネで抜擢されたわけではない。今井氏の知人の話だ。

「今井さんは第1次安倍内閣で秘書官になった後、親戚から伯父の善衛氏が商工省時代に岸さんの部下だったことを初めて聞かされたそうです。安倍総理も知らなかった。今井さんは総理と公用車に同乗した際、伯父と岸さんのことや自分が入省した時の大臣が(安倍首相の父である)晋太郎氏だったと告げたところ、総理は驚き、親密になっていったと聞いています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン