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縁故優先の韓国社会 議員の息子採用のため要項変更

■閣僚も野党も同じ「コネ穴」のムジナ
 そうしたコネの有無が生み出す格差を是正しようとする動きも過去にあった。2010年、当時の李明博(イミョンバク)大統領が「公正な社会」を築くキャンペーンとして、弱者救済政策を打ち出した。ところがその矢先、外務大臣が、自らがトップを務める役所に実の娘を縁故採用させた疑惑が持ち上がったのである。

 あまりに露骨だったため、発覚直後に外相は辞任に追い込まれ、李政権の「公正な社会」の実現構想も頓挫した。そして同じ年、野党・民主党(現在の「共に民主党」)の議員の息子が国会副議長事務所の企画秘書官として勤務していたことも問題化した。

「4級公務員(課長代理クラス)である企画秘書官に公職経験のない20代の若者が採用されることは普通ならあり得ません。調べてみると案の定、議員と国会副議長が親しい間柄だった」(韓国人ジャーナリスト)

 当時、民主党は李明博政権の外相による娘のコネ採用を激しく非難していたが、思わぬ“ブーメラン”をくらって、「誰かの推薦を受けて補佐官や秘書官を採用するのは、国会の慣例だ」と弁明した。

 公職に就く者が揃いも揃って、個人的な関係で仕事をあっせんして構わないと考えていることを浮き彫りにした騒動だった。

※週刊ポスト2016年11月25日号

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