「選挙中に『公平な米中貿易を実現する』と主張したトランプ氏のブレーンには強硬派が多く、中国には厳しい態度で臨むはずです。外交安全保障でトランプ氏の顧問を務める元CIA長官のジム・ウールジー氏は、北朝鮮の核兵器開発をやめさせるため、拠点爆撃を主張しています。米国優先主義は、ひとたび邪魔と見なせば外国への攻撃を躊躇しないという怖さがあります」
世界経済の行方も不透明だ。早稲田大学大学院教授の浦田秀次郎さんはこう指摘する。
「トランプ氏は米国の産業を保護するため、外国からの輸入を阻止すると公言しています。これを本当に行えば、世界一の輸入大国である米国向けに輸出をする各国の経済が落ち込みます。ダメージを負った各国が“報復”として米国からの輸入を抑制すると、世界中で貿易が縮小して、世界経済が停滞します。国際関係が緊迫化して、第二次世界大戦前のような一触即発の状態になる危険もある」
メリットもリスクも指摘されるトランプ政権。待ち受けているのが今とは一変する世界であることは間違いない。
※女性セブン2016年12月1日号