国内

鉄道車両のセカンドキャリア 海外で現役続行も

飛鳥山公園(東京都北区)に展示されている旧都電車両


 日本の鉄道車両の性能は世界でも群を抜いている。そのため、国内では古くて使用に耐えない車両であっても、海外から引く手あまたになっている。新興国では鉄道インフラの整備が急ピッチで進んでいるので、日本の鉄道車両を欲する国は今後も増加すると思われる。では、どんな車両が譲渡対象として選ばれるのか? そして、海外に譲渡されるまでのスキームはどうなっているのか? 東京メトロ広報部に取材を依頼したが、「譲渡先との契約上、車両の譲渡については詳しく話をすることはできません」と回答は得られなかった。

 慣れ親しんだ車両が国内から引退しても、海外で頑張っていると聞いたら、その姿を見たくなるのが人情だろう。

 鉄道車両のために、わざわざ海外へ出かけることは高いハードルだ。しかし、国内だったら気軽に会いに行くことはできる。

 熊本県熊本市・合志市を走る熊本電気鉄道は、銀座線01系を引き取って2両編成に改造。東京メトロ時代と比べると短編成になり、形式番号は01系から01形と微妙に変わった。しかし、銀座線で運行されていた時とほとんど変わらない姿で今も走っている。銀座線の車両を東京から見に来るファンも多いようで、東京メトロと熊本電鉄はスタンプラリーのコラボ企画も開始した。

 実は銀座線01系のように新天地でも現役として活躍する車両は、かなり幸運の部類に入ると言えるかもしれない。公園や児童館・図書館などに引き取られて展示物として余生を送る引退車両も多いのだ。展示・保存とは言いつつも、その多くは屋外で展示される。雨ざらしの状態だから、保存状態は極めて悪い。当然ながら車両の劣化は激しく、車体がサビだらけになり、腐食もしている。

 公園管理者側からすれば車両を保存・維持するための費用や人手まで賄えないから、展示車両が放置されてしまうのは仕方がないことなのかもしれない。

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