ベストセラー『京都ぎらい』(朝日新書)の著者で、国際日本文化研究センター教授の井上章一さんが言う。
「そもそもあの街が1位になるということ自体に、何を勘違いしとんねんと思てましたから。そんなの痛手でもなんでもないです、はい。ただね、やっぱり祇園祭りなど、洛中の古いしきたりを維持し続けるというのは、われわれの想像を絶するような気苦労がおありなんだと思います。だから、彼らをついついいけずな人間にしてしまうのではないかと、同情心もなくはありません」
そして紅葉が終わると、こんないけずも…。
「紅葉は京都にとって観光の1つですが、落ち葉の処理をちゃんとしないと、“〇〇さんとこの葉っぱが散って、かなわんなあ”みたいなことを言われるんです。たまに留守すると、ご近所さんから“紅葉が散ってましたわ”と嫌みっぽく言われるので、毎年うちの親は頭を抱えています」(京都市右京区在住の30代女性)
京都には「かどをはく(かどはき)」という、自分たちの家の前(かど)の道幅の半分と、家の幅プラス両隣一尺分を掃いてきれいにする風習がある。
前出の女性は、「町内会で手と手をとり合って掃除をしようなんてありえない。この先もありません」と話す。
※女性セブン2016年12月8日号