芸能

『東ラブ』のドラマ演出家「振られる女の美学を撮りたかった」

『東京ラブストーリー』演出家の永山耕三さん

 大ブームとなった柴門ふみさんの漫画『東京ラブストーリー』。その25年後を描く続編『東京ラブストーリーAfter25years』が女性セブンで連載中だ。

 月9で放送されたドラマ版は、「月曜の夜は街からOLが消える」とまでいわれるほどの人気を博した。その演出家であるフジテレビの永山耕三さんは、このドラマをきっかけに『愛という名のもとに』や『ロングバケーション』など数々の人気ドラマを手がけた。表参道、中目黒…東京のキラキラした場所をふんだんに詰め込んだドラマ制作秘話を聞いた。

 * * *
 ドラマ化にあたっては、赤名リカを主役にしました。さとみを主役にしたハッピーエンドではなくて、リカの敗者の物語。「振られる女の美学」を撮りたかったんです。

 舞台は1990年代前半の東京でした。あの頃の東京はかっこよかったんですよ。渋谷、青山、中目黒、恵比寿あたりで撮影しました。

 表参道で三上とさとみがキスをするし、中目黒の会社でカンチとリカが働いている。ぼくの思う東京のど真ん中で撮っていました。

 その一方で、時代性を入れることも忘れませんでした。放送した1991年は、バブルが弾けた直後なんです。それまでのトレンディードラマの主人公のマンションって、普通の会社員なのにやたら豪華じゃないですか? 『東京ラブストーリー』はもう少し現実に戻してみようと、完治やリカの部屋は、ワンルームにしました。完治の部屋には炬燵があります。炬燵でみかんを食べるシーンがある。だから、そんなにトレンディーではないんです。

「カンチ、セックスしよ!」というせりふが話題になりました。あの頃、まだ「エッチ」という言葉もなかったから、スタッフの間で、

「セックスってテレビで言ってよかったっけ?」
「でも言っちゃいけないことはないんじゃないの?」

 なんて話したことを覚えています。

〈月曜の夜は街からOLが消えるとまでいわれ、社会現象になったこのドラマ。永山さんがそれを感じたのは、小田和正の歌う主題歌『ラブ・ストーリーは突然に』の発売日だった〉

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン