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龍馬や幕末に思いを馳せながら一杯やれる京都・伏見の角打ち

角打ちカウンターは毎夜常連客でいっぱいだ

 坂本龍馬が定宿にしていた、京都・伏見の寺田屋。幕末の動乱のさなか、寺田屋騒動、寺田屋事件などの舞台となったこの旅館が、二筋向こうにある(旅館は明治期に再建されたもの)。

 目の前の油掛(あぶらかけ)通りを歩けば、風情ある木造の和菓子屋、茶舗、畳屋などが次々に現われ、やがて会津藩が駐屯地にしていた伏見御堂(ふしみみどう)へたどり着く。

 こんな、歴史好きがため息を漏らすような立地環境の中に、伏見の角打ち『大島元(おおしまもと)商店』がある。

「幕末の残り香を嗅ぎにというのでしょうか、そういうものに興味を持たれている欧米の人も含めて、観光客はけっこう来てくれます。でもやはり、“歴史はともかく角打ちです”という常連さんが、はるかに多いですね」と笑うのは、3代目主人の大島成浩(しげひろ)さん(74歳)。

「龍馬と飲めたら楽しいかもしれない。でも、その時代だったらピリピリしてないといかんでしょうな。やっぱり、今、ここで仲間になったみんなといるほうが、気を使わないしうまい酒が飲めると思うよ」(70代。自称、IT先駆者)

「幕末の頃は、このあたりどんな町だったんですかね。なあんて、あんまり考えたことはないよ(笑い)。立ち飲みのできる酒屋があった。落ち着ける。酒が安くてうまい。通う理由はそれで十分でしょ。私、そろそろ還暦なんだけど、この店を見つけて、まだ1年。もっと早く知ればよかった。その分取り返すつもりで、せっせと通いますよ」(50代。水道検針員)

 常連客は愛称のような感じで、この店を大島と呼ぶ人が多い。でも、正式屋号は、大島元。

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