国内

小林よしのり氏 天皇が能力評価と無縁なら竹田恒泰氏でいい

漫画家・小林よしのり氏

 天皇陛下の生前退位について、賛成、反対両陣営の“筆頭”である小林よしのり氏と八木秀次氏が150分の激論を交わした。

 * * *
八木秀次:ご公務の問題ですが、今の国民は、被災地訪問をはじめとする天皇陛下の精力的な活動を深く理解し、感謝の念を持っていますよね。そこに私は危うさを感じる。というのも、天皇陛下は全身全霊で公務を務めてこそ天皇だとお考えになっていて、それができなくなるから退位を望まれている。すると国民は、今の皇太子殿下が即位した後も同じように精力的な活動を期待するでしょう。

 しかし、同じことができるとは限らない。そのとき国民は前天皇と現天皇を比較して、能力評価する。そこで国民が対立して、権威が二分化することを私は懸念します。

小林よしのり:そんな対立は今でもあるよ。「今上天皇より昭和天皇のほうが良かった」という人もいれば、「いや明治天皇が一番だ」と思う人もいるでしょう。

 だいたい、天皇が能力評価と無縁であるべきだというなら、竹田恒泰にやらせたっていいじゃない。彼が皇族になるのをみんなが拒絶するのは、人格や能力の点でダメだと思ってるからやろ? だから、国民が天皇を能力評価するのは仕方ない。それぞれの時代に能力を示して、国民がそれを信頼しないと皇位は安定しない。

 ロボットじゃないんだから、普遍的な天皇像を押しつけるのは無理。皇太子殿下がどんな天皇になるかは未知数だけど、だからこそ、わしなんかは「どんな天皇像を作ってくれるのかな」とワクワクする。

八木:しかし天皇に退位の自由を認めると、即位の自由も認めることになるから、皇太子が即位を拒否することもあり得る。明らかに皇位は不安定化する。

 天皇には「存在」と「機能」の両面があるが、天皇陛下は今回のお言葉で機能の部分を強調された。でも、機能の前提は存在です。今は皇位継承者が数人になり、その部分がきわめて不安定になっている。

 退位と即位の自由を認めると、もともと不安定なものがさらに不安定化することになる。退位のための理屈づけが今の天皇陛下に限定されれば話は別かもしれないが、そういうわけにはいかないでしょう。

関連記事

トピックス

起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
大臣としての資質が問われる(写真/共同通信社)
三原じゅん子・こども政策担当相が暴力団とゴルフ写真の“反社疑惑”にダンマリの理由「官邸は三原氏のことなど構っていられない」
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン